鋼の錬金術師 嘆きの丘の聖なる星

映画『鋼の錬金術師 嘆きの丘の聖なる星』

『鋼の錬金術師 嘆きの丘の聖なる星』（英: Fullmetal Alchemist: The Sacred Star of Milos）は、2011年7月2日に公開された日本のアニメ映画です。この作品は、荒川弘による人気の少年漫画『鋼の錬金術師』を原作としており、アニメーションとして新たな物語が創作されました。制作はボンズが手がけ、前回のテレビアニメ放送から数年後に発表されたこの作品は、ファンにとって待望の新作と言えます。

制作背景と公開

本作の制作は2010年7月に開始され、正式なタイトルが同年11月に発表されました。『鋼の錬金術師』は、以前にも2003年と2009年にテレビシリーズとして制作されており、本作品はそれらとは異なるオリジナルのストーリー展開を持っています。音響監督の三間雅文やプロデューサーの丸山博雄など、一部のスタッフは過去のシリーズから引き続き参加しており、声優陣も前作から続投しています。この点が、作品に深い連続性を与えています。

映画のストーリーは、原作漫画の間にある空白の期間をフィーチャーしたオリジナルな内容であり、主人公であるエドワード・エルリックとその弟アルフォンス・エルリックが新たな冒険に挑む姿が描かれています。舞台となる西の国境の街・テーブルシティでは、異なる文化と歴史が物語に色を添えています。

ストーリーの概要

物語は、兄弟のエドとアルが失ったものを取り戻すために旅をするところから始まります。アメストリスの中央刑務所では、脱獄を果たしたメルビン・ボイジャーの持つ未知の錬金術が鍵となり、彼らはその真相を探るべくテーブルシティへと向かいます。この街にはかつて「ミロス」と呼ばれた歴史があり、エルリック兄弟は地元の少女ジュリア・クライトンの助けを得て、歴史の奥深さや民の悲劇について理解を深めていきます。

登場キャラクター

主要キャラクターには、エドワード・エルリック、アルフォンス・エルリック、ウィンリィ・ロックベルなど、原作のファンにはお馴染みの面々が集結します。新たに登場するジュリア・クライトンは、「黒コウモリ」の一員としてミロスの復興を目指し、彼女の成長と努力が物語に大きな影響を与えます。また、本作にはゲスト声優としてブラックマヨネーズや田中みな実も出演しており、コミカルな要素を添えています。

興行成績と評価

作品は、全国90スクリーンにて上映されたにも関わらず、初日のわずか2日間で1億4千万円以上の興行収入を記録し、観客動員ランキングで初登場3位となるなど、好成績を収めました。観客からは高評価を得たというデータもあり、多くのファンが再集結しました。

サウンドトラックと特典

映画主題歌はL'Arc〜en〜Cielの「GOOD LUCK MY WAY」で、特別なアレンジバージョンも登場します。また、先着来場者特典として「第45.5話」が収録された特別版コミックスもプレゼントされ、ファンには嬉しい内容となっていました。

まとめ

『鋼の錬金術師 嘆きの丘の聖なる星』は、兄弟の絆と新たな冒険を描いた作品であり、ファンにとって価値のある一作として記憶されることでしょう。エドとアルの成長と苦悩を通じて、生命の重要性や人々の繋がりを再認識させられる感動的な物語がここにあります。

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