錦戸部屋

錦戸部屋の概要

錦戸部屋（にしきどべや）は、日本相撲協会に所属する相撲部屋で、高砂一門に属しています。この部屋は、相撲界の中で特有の歴史と苦難を抱えながら成長を続けてきました。設立は2002年で、元関脇の水戸泉である10代錦戸親方により創設されました。錦戸部屋の命運は、設立当初からの努力と多くの試練によって形作られていきました。

創設と初の関取誕生

10代錦戸親方は、以前は高砂部屋で活躍していた力士で、2000年に現役を引退した後、部屋付き親方として若い力士たちを指導していました。しかし、部屋を独立させて15年以上が経過したにもかかわらず、関取を一人も育てることができなかったという厳しい現実が続きました。しかし、2018年にようやく水戸龍が十両に昇進し、錦戸部屋史上初の関取が誕生しました。このことは、部屋にとって大きな励みとなり、さらに同年11月には極芯道も十両に昇進する運びとなりました。

成績の波と困難

水戸龍は、その後2022年には新入幕を果たし、部屋の歴史に新たなページを加えました。しかし、相撲界は常に厳しい世界であり、2022年1月場所では、新型コロナウイルスの影響により師匠や力士数名が全休する事態となりました。また、2022年5月には極芯道が引退し、その後は水戸龍と富士泉の二人だけが部屋に所属する状態となりました。さらに、富士泉は2021年11月から休場を続けており、2022年7月以降は番付外という状況になりました。

2022年9月場所直前には、実質的に水戸龍しか所属していないという報道もあり、部屋の存続が危ぶまれるほどの厳しい状況に置かれていました。10代錦戸自身も健康に不安を抱えており、人工透析を受ける中で部屋の運営に苦労していたという背景もあります。2023年には、部屋付きの年寄である20代千田川が退職し、錦戸部屋の人材不足がさらに顕著となりました。

錦戸部屋の現在

錦戸部屋は、2023年8月時点で実質的に水戸龍と新弟子の二人のみという苦境に陥っています。部屋の運営が行き詰まり、週刊誌ではその危機的状況が報じられました。また、錦戸部屋は2023年9月7日に重要な転機を迎えたものの、厳しい現実は続いています。このように、錦戸部屋は歴史的な背景をもつ一方で、困難な状況と向き合いながら新たな挑戦を模索している状態です。

所在地とアクセス

錦戸部屋は東京都墨田区亀沢1-16-7に位置しています。交通アクセスは良好で、JR総武緩行線の両国駅から徒歩8分、都営地下鉄大江戸線の両国駅からは徒歩3分の距離にあります。周囲には、高砂一門に属する八角部屋も隣接しており、地域の相撲文化の一端を担っています。

まとめ

錦戸部屋は、相撲界における数々の試練を乗り越えようと奮闘しています。関取の育成に成功したものの、現在もなお厳しい状況が続き、部屋の未来が注目されています。

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