鍋島直澄

鍋島直澄は、江戸時代前期の大名で、肥前国蓮池藩の初代藩主です。佐賀藩主である鍋島勝茂の五男として誕生しました。幼少期からその才覚を示し、兄の忠直の死後、その未亡人と結婚したという経緯から、鍋島宗家の家督相続の候補者として名前が挙がりました。しかし、最終的には宗家を継ぐことはありませんでした。

1638年、島原の乱から帰還後、父の勝茂は佐賀城の本丸へ、直澄は三の丸へと居を移しました。これは、藩内における彼の立場を示すものでもありました。そして、1642年には、肥前国蓮池に5万2000石を与えられ、念願の初代藩主となりました。ただし、立藩の年次については異説も存在します。

藩主となった直澄は、藩政の安定に尽力しました。しかし、晩年は塩田吉浦館に隠居し、1665年には家督を次男の直之に譲りました。1669年、病のため塩田吉浦館にて生涯を閉じました。彼の遺言により、遺骨は吉浦至誠山、慶誾寺、そして潜龍寺（後の宗眼寺）に分けて納められました。これは、彼の信仰心と、家への深い愛情を示すものと言えるでしょう。

直澄の系譜は以下の通りです。

父：鍋島勝茂
母：高源院（徳川家康の養女、岡部長盛の娘）
正室：牟利姫（恵照院、松平忠明の娘）
側室：安樹院（伊香賀貞知の娘）
子
鍋島直守（長男）
鍋島直之（次男、生母は恵照院）
鍋島之治（三男）
鍋島之映（四男）
鍋島直称（五男、生母は安樹院）
鍋島之徳（六男）
於千代（宝善院、鍋島直條正室、鍋島光茂の養女）
* 松平好房正室

直澄は、その生涯を通して、武将としての才覚だけでなく、領主としての責任を全うしました。彼の築いた蓮池藩は、後の時代までその名を残し、彼の功績は今もなお語り継がれています。

また、彼に関連する人物としては、千々石五郎左衛門が挙げられます。これらの人物との関係性もまた、彼の人物像をより深く理解する上で重要です。

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