鍼灸学科

鍼灸学科とは

鍼灸学科は、大学において鍼（はり）ときゅうに関する専門的な教育と研究を行う学科です。伝統医学である鍼灸の理論と技術を学び、医療の現場で活躍できる人材育成を目的としています。

鍼灸学科設立の背景

日本では長らく、はり師・きゅう師の養成は専門学校が中心的な役割を担っていました。これは、鍼灸が主に職能訓練としての側面を持っていたためです。しかし、鍼灸に関する学術研究の重要性が高まるにつれて、大学における鍼灸教育の必要性が認識されるようになりました。

このような社会的要望に応える形で、1983年に日本で初めて鍼灸学科を有する明治鍼灸大学（現在の明治国際医療大学）が開学しました。その後、1985年には関西鍼灸短期大学が開学し、鍼灸の学術的な研究と教育を行う機関として発展していきました。

鍼灸学科の現状

明治国際医療大学と関西鍼灸短期大学（のちの関西医療大学）の開学後、しばらくは鍼灸学科を新設する大学は現れませんでした。しかし、2003年に関西鍼灸短期大学が大学に移行し、関西鍼灸大学（現 関西医療大学）が開学したことをきっかけに、鍼灸学科を設置する大学が増加しました。現在では、多くの大学で鍼灸に関する専門的な教育を受けることが可能です。

鍼灸学科を持つ日本の大学

以下に、鍼灸学科を持つ日本の主な大学を示します。

国立大学
筑波技術大学（視覚障害者を対象とした特別コース）
公立大学
(情報なし)
私立大学
(情報なし)


筑波技術大学のように、特定の条件を持つ学生を対象とした鍼灸学科も存在します。

鍼灸学科で学べること

鍼灸学科では、以下のような内容を学びます。

鍼灸理論: 東洋医学の基礎となる経絡や経穴、気血などの概念を学びます。
鍼灸技術: 実際に鍼や灸を用いて治療を行うための技術を習得します。臨床実習を通して、患者さんの症状に合わせた適切な治療法を学びます。
解剖学・生理学: 人体の構造や機能に関する知識を深め、鍼灸治療が人体に与える影響を理解します。
病理学: 疾病の原因や病態に関する知識を学び、鍼灸治療の適応症や禁忌を理解します。
東洋医学概論: 東洋医学の歴史や思想、診断方法などを学びます。
関連法規: 鍼灸師として働くために必要な法律や倫理について学びます。

これらの学びを通して、鍼灸師として必要な知識、技術、倫理観を身につけ、卒業後は医療機関や鍼灸院などで活躍することが期待されます。

鍼灸学科卒業後の進路

鍼灸学科を卒業した後は、はり師・きゅう師の国家資格を取得し、以下のような進路を選ぶことができます。

鍼灸院・整骨院
病院・クリニック（リハビリテーション科、ペインクリニックなど）
スポーツトレーナー
介護施設
美容鍼灸
独立開業

また、大学院に進学して、鍼灸に関する研究を深める道もあります。

まとめ

鍼灸学科は、鍼灸の専門家を目指すための学び舎です。鍼灸の知識・技術だけでなく、医療人としての倫理観も育むことで、社会に貢献できる人材を育成しています。鍼灸に興味のある方は、鍼灸学科で学んでみてはいかがでしょうか。

関連項目

* 鍼灸

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