鎌原幸定

鎌原幸定について

鎌原幸定（かんばらゆきさだ）は、戦国時代に活躍した武将です。彼は、真田幸隆の弟であり、真田信綱や真田昌幸にとっては叔父にあたる人物です。幸定は、上野国吾妻郡の旧族である鎌原家の養子となりました。鎌原家は、鎌倉時代初期に海野氏から分かれた一族で、三原荘（現在の群馬県嬬恋村）を拠点としていました。

鎌原家の出自

『鎌原家譜』によると、鎌原家の始祖は海野小太郎幸家の次男である海野新左衛門とされています。新左衛門は三原荘下屋を領し、下屋幸房と名乗りました。その子孫である下屋重友が鎌原郷に移り、鎌原姓を名乗るようになったとされています。戦国時代には、鎌原幸政が三原城主を務めており、同族であった幸定を養子として迎えました。

武田信玄への臣従と活躍

幸定は大和守を称し、息子である幸重（宮内少輔）と共に、早い段階から武田信玄に臣従しました。幸定・幸重父子は、兄である真田幸隆の吾妻郡進出にも協力し、その勢力拡大に大きく貢献しました。また、幸隆と共に羽尾氏や岩櫃城の斎藤氏を滅亡させるなど、武田氏の勢力拡大に尽力しました。

子孫の動向

幸重の子である鎌原重澄は、長篠の戦いで戦死しましたが、その子である鎌原重春は真田昌幸の養女を正室に迎えました。天正10年（1582年）3月に武田勝頼が滅亡すると、重春は宗家の真田家に臣従し、その子孫は真田家の重臣として活躍しました。鎌原家は、真田家の一門として、その後の歴史を歩んでいくことになります。

その他

幕末の松代藩筆頭家老である真田桜山は、幸定の男系子孫にあたります。

参考文献

柴辻俊六『真田昌幸』吉川弘文館〈人物叢書〉、1996年。ISBN 464205202X。
『鎌原家譜』