鎌田勝美

鎌田勝美：不屈の闘志で日本ラグビーを牽引した名ロック

鎌田勝美氏は、1943年9月24日に秋田県で生まれ、その卓越した運動能力と不屈の精神で、日本のラグビー界に名を刻んだ名選手です。身長177cm、体重80kgという体格ながら、ロック（LO）として、その存在感は際立っていました。

学生時代：法政大学での躍進

1962年、鎌田氏は金足農業高校から法政大学に進学し、ラグビー部に入部します。大学3年時の1964年度には、第1回全国大学選手権決勝で早稲田大学を破り、見事優勝を飾りました。続く第2回日本選手権では、社会人強豪の八幡製鉄に惜しくも敗れ準優勝となります。

翌1965年度の第2回全国大学選手権では、決勝で再び早稲田大学と対戦し、惜しくも準優勝に終わりました。しかし、同年度の全日本学生東西対抗では東軍のメンバーとして出場し、その活躍が認められ、全日本学生ベストフィフティーンに右ロックとして選出されました。さらに、第16回朝日招待ラグビーでは全日本学生チームの一員として、全九州と対戦するなど、学生時代からその実力を高く評価されていました。

社会人時代：近鉄での黄金期

1966年、鎌田氏は近鉄に入社し、ラグビー部に入部します。その年、チームは関西社会人Aリーグで優勝。さらに、第19回全国社会人大会決勝ではトヨタ自工を15-3で破り優勝を達成。第4回日本選手権では、早稲田大学を27-11で破り、見事日本一に輝きました。この活躍により、鎌田氏は同年度の全日本ベストフィフティーンにも選出されています。

1967年度も近鉄は勢いを衰えず、関西社会人Aリーグで優勝。第20回全国社会人大会決勝では、前年度の雪辱を期すトヨタ自工を6-5で破り優勝。第5回日本選手権では、母校である法政大学と対戦し、27-14で勝利し、再び日本一の座に就きました。鎌田氏は、この年も全日本ベストフィフティーンに選出され、その実力を不動のものとしました。

1968年度も関西社会人Aリーグで優勝しましたが、第21回全国社会人大会準決勝で八幡製鐵に敗れ、ベスト4に終わります。しかし、1969年度には、チームを再び全国の頂点へと導きます。関西社会人Aリーグでは4位に終わったものの、第22回全国社会人大会決勝でトヨタ自工を17-8で破り、見事優勝を果たしました。この活躍により、鎌田氏は同年度の全日本ベストフィフティーン、全関西ベストフィフティーンに選出され、その輝かしい現役生活に終止符を打ちました。

日本代表としての活躍

鎌田氏は、1966年5月に行われた日本選手強化合宿に招集され、日本代表としてのキャリアをスタートさせます。

1967年3月12日には、花園ラグビー場でのニュージーランド大学選抜戦で日本代表初キャップを獲得。1968年5月には、日本代表のニュージーランド・豪州遠征に参加するなど、国際舞台でも活躍しました。

1970年1月には、タイ・バンコクで行われた第2回アジア選手権に日本代表として出場し、見事優勝を飾っています。

さらに同年3月には、ニュージーランド大学選抜および全カナダが来日して行われた三国対抗戦に出場。また、親善試合として行われた全法政大対ニュージーランド大学選抜戦にも、法政大OBとして出場を果たしました。

鎌田氏の日本代表としての総キャップ数は5であり、その貢献度は計り知れません。

引退後

現役引退後は、母校である金足農業高校の指導を行うなど、後進の育成にも尽力しました。

鎌田勝美氏のラグビー人生は、まさに不屈の闘志と情熱に満ち溢れたものであり、その功績は、日本のラグビー史に深く刻まれています。

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