鎮宅霊符神社

鎮宅霊符神社は、奈良県奈良市陰陽町に鎮座する神社です。陰陽師鎮守の祭壇所として知られています。

歴史

神社の創建は永久5年（1117年）に遡ります。『元要記』には、「興福寺行疫神、鳥羽院御宇、永久五年正月社壇建立、南都四箇陰陽師仕之」という記録が残されています。この記述から、興福寺の行疫神を祀る社壇が、鳥羽院の時代である永久5年に建立され、南都の四箇の陰陽師がこれに仕えたことがわかります。宮司は、南都御霊神社の宮司が兼務しています。

祭神

主祭神は、天地開闢の神である天之御中主神（あめのみなかぬしのかみ）です。天之御中主神は、宇宙の中心に存在する根源的な神とされ、古くから信仰を集めてきました。近世には、北極星の神格化である妙見菩薩と習合されるようになり、神仏習合の信仰形態も見られます。

境内

境内には、本殿、拝殿のほか、住吉神社が鎮座しています。住吉神社には、住吉三神（底筒男神、中筒男神、表筒男神）が祀られています。また、神門には「鎮宅霊符神」と記された扁額が掲げられています。

特筆すべきは、阿吽2対の狛犬です。この狛犬は、一般的に見られる厳めしい表情とは異なり、笑っているかのような愛らしい顔をしているのが特徴です。訪れる人々を和ませる存在となっています。

交通アクセス

鎮宅霊符神社へのアクセスは以下の通りです。

奈良交通バス：「南袋町」下車、徒歩3分
近鉄奈良駅：2番出口より徒歩11分
JR奈良駅：東口より徒歩15分

周辺情報

神社は奈良市街に位置しており、周辺には歴史的な寺社や観光スポットが数多く存在します。春日大社や東大寺などの世界遺産も徒歩圏内にあり、奈良観光の拠点としても便利です。

参考文献

奈良市史編集審議会 編『奈良市史 社寺編』吉川弘文館、1985年、83頁。
小倉つき子 編『ドラマチック 奈良』京阪奈情報教育出版、2010年、136頁。ISBN 978-4-87806-601-6。

関連情報

鎮宅霊符
* 幸徳井家 - 当地付近を拠点にした南都陰陽師の筆頭。

鎮宅霊符神社は、陰陽師の歴史と信仰を感じられる、静かで趣のある神社です。奈良を訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。

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