陰陽町

陰陽町（いんようちょう）

陰陽町は、奈良県奈良市の中央部に位置する地区で、その名は歴史を司る陰陽師に由来します。古くからの歴史と文化が色濃く残るこの地域について解説します。

地理

陰陽町は奈良市街地の中心部に位置し、東は高御門町、南と西は南城戸町、北は脇戸町に隣接しています。東西に走る道路が地区の中心をなし、沿道には住宅が建ち並んでいます。

地名の由来

陰陽町という地名は、かつてこの地に時を司り、暦を作成していた陰陽師たちが住んでいたことに由来します。陰陽師は、古代日本の社会において、天文学や占術などを司る重要な役割を担っていました。

歴史

陰陽町は、庶民が最初に手にした暦と言われる奈良暦（南都暦）が作られた場所としても知られています。また、町内には鎮宅霊符神社があり、陰陽師の神として仰がれる天御中主神が祀られています。

沿革

江戸時代、陰陽町は奈良町の南部に位置し、南方触口支配に属していました。高御門町の西、南城戸町の東に位置し、この両町を結ぶ東西通りの坂道にある地区でした。「奈良坊目拙解」によると、この通りは元興寺西大門（高御門）門前通りと呼ばれていました。これは、もとの四条大路にあたるとされています。「平城坊目考」によれば、天正年間の地子帳には陰陽町の名前が見当たらないため、天正年間以降に町並みが形成されたと考えられています。

施設

観光

奈良町からくりおもちゃ館: 昔懐かしいおもちゃやからくり人形を展示しています。

寺社

鎮宅霊符神社: 陰陽師の神である天御中主神を祀る神社です。静かで落ち着いた雰囲気の境内は、訪れる人に安らぎを与えてくれます。

学区

陰陽町は、奈良市立済美小学校および奈良市立春日中学校の学区に属します。

参考文献

「角川日本地名大辞典」編纂委員会『角川日本地名大辞典 29 奈良県』角川書店、1990年 ISBN 4-04-001290-9

関連項目

ならまち

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