鏡は眠らない

あらすじ

「鏡は眠らない」は、1997年10月22日から11月19日までNHK総合テレビの「水曜シリーズドラマ」枠で放送されたテレビドラマです。物語は、天正遣欧少年使節が持ち帰ったとされる南蛮の古い鏡を中心に展開します。この鏡は、人々の心を魅了し、同時に狂わせる力を持っており、登場人物たちは鏡に翻弄されながら、愛憎劇を繰り広げていきます。

主人公は、義理の娘が犯した殺人の罪をかぶり服役する林基子。彼女の過去の恋人である大島海運社長の大島恭一郎、そして、古い鏡に魅入られていく基子の義理の娘である深堀民子、さらに、キリシタン弾圧から逃れる際に鏡を託した原マルチノなど、複雑な人間関係が物語を彩ります。また、恭一郎の息子で民子の恋人である大島俊介も、物語の重要な役割を担っています。

主な登場人物

林基子 (演: 三田佳子)
義理の娘である民子の罪をかぶり服役する女性。過去には恭一郎と恋人関係にあった。

大島恭一郎 (演: 仲代達矢)
大島海運の社長で、基子の昔の恋人。物語の鍵となる人物。

深堀民子 (演: 野波麻帆 / 少女時代: 黒川芽以)
基子の義理の娘。古い鏡に幻惑され、事件を引き起こす。

原マルチノ (演: 阿部寛)
キリシタン弾圧から逃れる際に、信者の少女に鏡を託した人物。

大島俊介 (演: 谷原章介)
恭一郎の息子で大学生。民子の恋人。

スタッフ

作: 市川森一
音楽: 一柳慧
制作統括: 西村与志木
美術: 稲葉寿一
技術: 市川隆男
音響効果: 若林宏
演出: 黛りんたろう

各話タイトル

1. 風呂屋の後妻
2. 変身
3. 罠
4. 追想
5. 約束の丘へ

放送と再放送

1997年に放送された本作は、2006年8月に再放送されました。しかし、再放送時には、少女（深堀民子）による殺人シーンの描写がリアルすぎるという判断から、第3話と第4話が修正されました。この修正は、1997年当時と2006年との世相の違いが原因とされています。2006年には、未成年による凶悪犯罪が多発しており、そのような状況下で、ドラマの暴力的なシーンが社会に悪影響を及ぼす可能性が考慮されました。この修正は、放送倫理の観点からも重要な事例として語られることがあります。

その他

このドラマは、単にサスペンスとしてだけではなく、人間の心の闇や、過去の因縁、そして鏡という象徴的なアイテムを通じて、人間の深層心理を描き出しています。特に、過去の恋人関係や、義理の娘との関係性など、複雑な人間ドラマも見どころとなっています。また、音楽を担当した一柳慧による、ドラマの雰囲気を盛り上げる音楽も注目です。

「鏡は眠らない」は、単なるエンターテイメント作品としてではなく、人間の複雑な心理や社会の変化を映し出す作品として、今もなお、多くの人々に語り継がれています。

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