鏡山城 (伯耆国)

鏡山城（かがみやまじょう）および黒坂城（くろさかじょう）

鏡山城、またの名を黒坂城は、鳥取県日野郡日野町の黒坂にかつて存在した江戸時代初期の日本の城であり、現在の旧日野産業高校の校舎およびその後ろの山がその城跡となっています。城の建設は1609年（慶長14年）に遡り、伯耆国の米子城主・中村一忠の無嗣除封に伴い、伯耆国は小規模大名たちによって分割支配されることになりました。この環境の中で、伊勢国亀山から関一政が5万石で入封し、黒坂に新たな城を築くこととなったのです。

歴史の背景

関一政は城を築くだけでなく、そこに城下町も整備しました。しかし、1618年（元和4年）には家中の不和、特に世継ぎに関する争いが原因で彼は改易され、鏡山城もまた破壊されてしまいました。このように、この城は築城からわずか9年という非常に短い期間しか存在しなかったのです。

関氏が支配を終えた後、この地域を治めた池田氏は、鏡山城の城跡に陣屋を設け、重臣であった福田氏を配置して黒坂を支配しました。関氏が作り上げた南北に3筋、東西に5筋の城下町の構造は、今でも見ることができ、武家屋敷などの歴史的な景観が保たれています。

遺構と遺産

鏡山の丘陵には削平された土地が残されており、この城は基本的に土塁を主な構造としたものと考えられています。山の頂上には南北に細長い主郭があり、南端と北端には櫓台と思われる遺構が見受けられます。これらの櫓台は破城を受けているものの、近世初期の石垣が今も残っています。一方、山の麓には居館跡も存在しており、城の跡と共にその歴史を物語っています。

参考文献

• - 日野町教育委員会 2012 「黒坂のまちと鏡山城」『わたしたちのまち 日野町【歴史編】』p.8

このように、鏡山城は短命ではあったものの、当地の歴史と文化に深く根付いた重要な存在であり、その跡を訪れることによって、江戸時代の日本に思いを馳せることができます。

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