鏡里喜代治

鏡里喜代治の生涯と業績

鏡里喜代治（かがみさと きよじ、1923年4月30日 - 2004年2月29日）は、青森県三戸郡斗川村（現・三戸町）に生まれた大相撲の著名な力士です。時津風部屋に所属し、第42代横綱として名を馳せました。彼の本名は奥山喜世治（おくやま きよじ）であり、この大柄な体格と親しみやすい性格から、多くのファンに愛されました。

入門前

鏡里は1923年、青森の農家の三男として誕生しました。彼の出生時の体重は8000gという異常な数値であり、そのことから地元では早くから話題になっていました。父親を亡くした後、母親の手伝いをしながら日々を過ごしていましたが、同郷の元大関、粂川からの勧誘を受けて相撲界入りを決意します。1941年1月には粂川部屋から初土俵を踏み、四股名は「鏡岩」に由来しています。

相撲界での初期のキャリア

入門した際、鏡里は自信を失うこともありましたが、恵まれた仲間たちに支えられながら新弟子生活を送ります。1942年、双葉山相撲道場に移籍した鏡里は、戦争のため一時的に応召され、弘前第69連隊に入隊します。戦地での彼は、先輩力士の双葉山が敗れた場面で「打倒東冨士」を誓うなど、強い意志を持っていました。

大関、そして横綱へ

鏡里は1949年の時点で前頭筆頭まで番付を上げ、1950年には大関へと昇進。1953年1月場所では14勝1敗で初優勝を果たし、その成績が評価され横綱への推薦が決まります。その後、横綱として数々の名勝負を繰り広げました。特に、彼の土俵入りは「動く錦絵」と評され、多くの人々に親しまれました。

引退とその後

1958年に横綱としての責任を重く感じ、引退を決意し「鏡里」として一代年寄に襲名しました。引退後は日本相撲協会の理事に就任し、福岡場所部長としても活躍。晩年には自身のマンションも経営し、さらに著書も発表しました。80歳を迎えた際には、次の目標として「88歳の米寿」を挙げ、多くのファンに愛され続けましたが、2004年に80歳でこの世を去りました。

鏡里の人物像

鏡里は、初めは突っ張りを得意とし、後に組み技に特化したスタイルに転向しました。彼はマスコミに対して強い拒否感を持ち、朴訥な人柄でも知られていました。その生涯には数多くのエピソードが残されており、魚釣りや田舎の温泉を楽しむなど、親しみやすい姿も印象的です。若い時には田舎相撲を見て育ち、苦楽を共にする仲間たちとの絆を大切にしていました。

鏡里喜代治の人生は、力士としての高みを目指すための努力と、人間としての温かみを兼ね備えたものでした。彼の功績は今もなお、多くの人々の記憶に残っています。

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