長上

長上（ちょうじょう）について

長上は、古代日本の律令制において用いられた出勤形式の一つで、主に常勤の職に従事する官人や工人を指します。この制度のもとでは、長上官（ちょうじょうかん）や長上工（ちょうじょうこう）というカテゴリーに分かれて、それぞれに固有の役割や評価が存在しました。さらに、この長上に関連する出勤は、一定の規則に基づいて運用されていました。

出勤形態の概要

ある種の職務に付き従事する長上官や長上工は、今日のビジネスの常勤社員に似た出勤日数のルールに従っていました。基本的な原則として、5日間の勤務につき1日の休暇が与えられるというものでした。ただし、天皇の警護など特定の重要任務に従事する場合、あらかじめ申請することでまとめて休暇を取得できるという特例もありました。

長上官の分類

長上官は、内長上と外長上という二つの主要なカテゴリに分類されます。内長上は、職事官と呼ばれる官位相当の四等官や品官にあたります。また、内舎人や散位五位以上の官人も内長上の範疇に入ります。一方、外長上は地方官を指し、特に郡司は四等官を持っていても官位相当は求められないため、外長上に分類されることになります。

長上官は年に240日以上の出勤を求められ、それを満たさないと評価対象外となりました。この勤務に関しては、内長上は9段階、外長上は4段階の評価基準が設定されており、評価結果に基づいて定期的に昇進の是非が決定されました。特に706年には、これらの基準が短縮され、昇進の際の見直しが行われました。

長上工について

長上工は、主に技術的な職務に従事する者を指し、長上官と同様の扱いを受けることがあります。具体的には、主に画師や文書処理の専門家、大工など、特定の技術を具備した職人たちがこれに含まれます。彼らは官太政官から任命され、正式な位相当を付与されることで長上工としての地位を得ました。

757年には、養老律令の施行に伴い、品官相当の資格が与えられた工人たちが新たに長上工として認められ、以降、特定の役職に対して長上工のポジションが拡充されました。このように、長上工の制度は進化し、技術系官司の衰退を伴いながらも存在感を持ち続けました。

まとめ

長上という制度は、古代日本の官庁や技術者の出勤形態を明確にし、役職に応じた評価と昇進の基準を設ける重要な枠組みとして機能しました。その後の日本の勤務形態や制度に影響を与える一因ともなり、歴史的意義を持っています。

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