長安汽車

重慶長安汽車股份有限公司

重慶長安汽車股份有限公司、英語名Changan Automobile Co., Ltd.は、中国の自動車産業において重要な役割を担う企業です。重慶市に本拠を構え、深圳証券取引所に上場しているこの会社は、2024年には約268万台の車両を販売する見込みであり、第一汽車、東風汽車、上海汽車、奇瑞汽車と並ぶ「ビッグ5」の一員です。

歴史的背景

重慶長安汽車は、その起源を1862年に遡ります。清朝時代、上海で李鴻章によって設立された「上海洋砲局」が、この会社の始まりです。1865年に南京に移転し、「金陵兵工廠」として成長した後、1937年には日中戦争の影響で重慶に移動しました。1949年に中華人民共和国が成立すると、1957年には自動車の生産を開始し、「長安機械製造廠」としてジープ型車両の製造に乗り出しました。

提携の歴史

1984年、鄧小平の改革開放政策のもとでスズキと提携を果たし、1993年には長安鈴木汽車を設立します。その後、1996年に「重慶長安汽車股份有限公司」として上場し、次々に合弁を重ねていきます。2001年にはフォード・モーターと提携し長安フォード汽車を、2004年には江鈴汽車との合弁によりSUV専門の陸風汽車を設立しました。また、2006年にはマツダが加わり、長安フォードマツダ汽車が設立されましたが、2012年にはそれぞれのブランドに分立しました。

電動車への移行

近年の自動車産業において、重慶長安汽車は電動化へのシフトを強く打ち出しています。中国政府の新エネルギー車政策に基づき、2018年以降には新規ブランドを設立し、2025年までに全車両をBEVまたはPHEVにする目標を掲げています。この流れの中で、スズキとの合弁関係は2018年に解消されました。さらに、2020年にはPSA・プジョーシトロエンとの合弁も終焉を迎え、長安PSAを宝能汽車に売却しました。

ブランドの多様性

重慶長安汽車は、主力ブランド「Changan」を中心に、エントリークラスから中間価格帯の乗用車を多彩に展開しています。この他にも「Changan Nevo」や「Deepal」といった電動車向けの専用ブランドを立ち上げ、プレミアムセグメントの「Avatr」も設立されています。また、商用車に特化した「Kaicene」ブランドも運営しており、過去には「Chana」としても知られていました。

主要車種

長安汽車の主要な乗用車シリーズには、UNIシリーズ、CSシリーズ、EADOシリーズがあります。UNIシリーズには、UNI-T、UNI-K、UNI-Vが含まれ、CSシリーズはCS95からCS15までのSUVを展開。また、EADOシリーズはEADO EV-460やEADO Plusなどのセダン車を揃え、さらに多様な車両ラインアップを活用しています。商用車においても、CM8や長安・スターなど多くのモデルを提供しています。

このように、重慶長安汽車は、長い歴史の中で自動車メーカーとして成長を遂げ、現在もその地位を確立し続けています。

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