長尾年恭

長尾年恭

長尾年恭氏は、日本の地球物理学者であり、特に固体地球物理学、地震予知学、地震電磁気学、火山津波を専門としています。1955年11月7日に東京都で生まれ、麻布高校、千葉大学理学部を経て、東京大学大学院で理学博士号を取得しました。大学院在学中には、南極観測隊に参加し、昭和基地で重力、地殻変動、地殻熱流量などの観測に従事しました。

研究活動

長尾氏は、地震予知研究において、電磁気学的手法に着目し、特に超低周波帯の電磁波が地震予知に有効であるという観点から研究を進めてきました。金沢大学での勤務を機にこの分野の研究に携わり、東海大学へ異動後も首都圏や東海地方に観測点を設置して観測を続けています。また、地下の温度分布から過去の気候を復元する研究にも取り組んでいました。

2011年には株式会社DuMAを設立し、地震前兆現象を科学的に解析し、M6.5以上の地震を対象とした「地下天気図」解析や、その他の情報を、地震、火山、津波、防災のために発信しています。これらの情報は、まぐまぐニュースレター『地下天気図』やDuMAのホームページで公開されています。

教育活動と所属

長尾氏は、東海大学で教授を務めた後、2021年からは東海大学海洋研究所地震予知・火山津波研究部門の客員教授、2022年からは静岡県立大学の客員教授として教育活動にも従事しています。また、一般社団法人日本地震予知学会の会長・代表理事、認定NPO法人富士山測候所を活用する会の理事も務めています。

主な専門分野

固体地球物理学
地震予知学
地震電磁気学
地球熱学
地震防災教育

略歴

1974年：麻布高等学校卒業
1980年：千葉大学理学部卒業
1987年：東京大学大学院理学系研究科地球物理学専攻博士課程修了
1988年：金沢大学理学部助手
1991年：アテネ大学物理学部へ留学
1995年：東海大学海洋学部助教授
2001年：東海大学教授
2006年：東京大学地震研究所客員教授
2011年：株式会社DuMA設立
2019年：認定NPO法人「富士山測候所を活用する会」理事
2021年：東海大学客員教授
2022年：静岡県立大学客員教授

著書

単著

『地震予知研究の新展開』近未来社、2001年
『巨大地震列島』ビジネス社、2022年

共著

『最新地震論』学習研究社、1995年
『地震予知の科学』東京大学出版会、2006年
『地震前兆現象を科学する』祥伝社、2015年
* 『地震と火山と防災のはなし』成山堂書店、2022年

長尾年恭氏は、地球物理学の研究者としてだけでなく、地震防災に関する情報発信者としても社会に貢献しています。

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