長山靖生

長山 靖生（ながやま やすお）

長山靖生（本名：長山裕一）は、1962年10月30日に茨城県日立市に生まれた日本の歯科医師、評論家、アンソロジストです。彼は日本推理作家協会と日本SF作家クラブの会員でもあり、文学や科学に関する深い見識を備えています。

経歴

長山は、中学・高校時代に水戸市の私立中高一貫校に通っていた。ここでは史学部、生物部、SF推理研究会、映画研究会と多様な活動を通じて、幅広い知識を吸収しました。鶴見大学歯学部に進学し、さらに大学院で歯学研究を続け、1991年には「デュアルキュア型レジンセメントの特性と辺縁封鎖性に関する研究」で歯学博士の学位を取得します。その後、開業医としての活動を続ける傍ら、評論やエッセイの執筆にも積極的に取り組んでいます。

長山の執筆活動は、主に明治時代から戦前にかけての文芸や科学者の著作を対象にし、新たな視点での再評価を行っています。特に横田順彌、會津信吾らと共に日本古典SF研究会を創立し、初代会長に就任したことからも、彼がSFの研究と普及において重要な役割を果たしていることが分かります。また、日本SF大賞の選考委員としても活動し、国内外のSF作品に対する理解を深める努力をしています。

受賞歴

長山はその豊かな研究活動により、いくつかの賞を受賞しています。1996年には『偽史冒険世界 カルト本の百年』で第10回大衆文学研究賞の研究・考証部門を受賞。2010年には『日本SF精神史 幕末・明治から戦後まで』で第41回星雲賞ノンフィクション部門および第31回日本SF大賞を受賞し、その研究が評価されました。さらに、2019年には『日本SF精神史【完全版】』で第72回日本推理作家協会賞の評論・研究部門を受賞。2020年には『モダニズム・ミステリの時代 探偵小説が新感覚だった頃』で第20回本格ミステリ大賞を受賞するなど、彼の著作は多方面で高く評価されています。

主な著作

長山の著作は非常に多岐にわたります。1992年には『コレクターシップ 「集める」ことの叡智と冒険』を発表し、その後の2005年には改題版も刊行。また、1996年に発表した『偽史冒険世界 カルト本の百年』は、カルト的な文献を扱った作品として多くの読者に親しまれています。

近年では、2018年に『日本SF精神史【完全版】』を発表し、加筆修正を行った他、2021年には『日本回帰と文化人　昭和戦前期の理想と悲劇』も発表するなど、常に新しい知見を提供し続けています。彼の著作は日本の文芸やSFを理解するための重要な資料となっています。

まとめ

長山靖生は日本の文化と歴史に深く根ざしながら、文学と科学の両方を貫く研究を行っています。彼の活動は多方面に及び、特に日本のSFやミステリの研究においては欠かすことのできない存在です。今後の彼の作品にも期待が寄せられています。

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