長岡道夫

長岡道夫：日本の音楽シーンを支えた名プレイヤー

長岡道夫（ながおか みちお、1949年11月7日生まれ）は、神奈川県川崎市出身のギタリスト、ベーシスト、そして作・編曲家です。彼は、スタジオミュージシャンとして、数えきれないほどのアーティストのレコーディングに参加し、日本の音楽シーンを支えてきました。

音楽への目覚めと挫折、そして転換

長岡が音楽に触れたのは小学生の頃。6年生から中学校までの3年間、クラシックギターを弾いていました。ギターの奏法は基本的に独学で習得。小学校の卒業文集には「僕は坂本九ちゃんの二代目になる」と書き、将来音楽で生計を立てることを夢見ていたことが伺えます。高校生の頃にはバンドを結成しますが、中学時代の同級生のギターの腕前に衝撃を受け、その同級生からギターを習うものの、すぐに「自分で練習すればいい」と感じ、独学の道を選びます。

その後、長岡はベースに転向。プロになってすぐにウッドベースを購入し、ジャズへの憧れを抱きます。レッド・ガーランドのアルバムを聴き、ポール・チェンバースの演奏に感銘を受けますが、ジャズに対する恐れから、レッスンを受けることでコンプレックスを克服しようと試みます。しかし、熟練者からの指導を受けてもピンと来ず、結局は家で譜面を見て練習する方が効率的だと判断し、レッスンを中断。この経験から、長岡は楽器の習得は人から教わるよりも、自分で試行錯誤する方が向いていると悟ります。

プロとしてのキャリア

ナイトクラブでの演奏を経て、1968年、19歳の時に東京キューバン・ボーイズのパーカッション奏者である小野寺猛士率いるバンド、"ロス・オノデラス"に参加。その後、1971年には森山良子のサポートメンバーとして全国ツアーに参加するなど、プロとしてのキャリアをスタートさせます。

村岡健グループにも参加し、直居隆雄らと共に活動。1978年には芳野藤丸、大谷和夫、山木秀夫らと"One Line Band"を結成し、シングルとアルバムを発表します。翌年、バンドはレコード会社の移籍に伴い、"SHŌGUN"に改名。日本テレビ系ドラマ「俺たちは天使だ!」のサウンドトラックを担当し、アルバムと主題歌「男達のメロディー」をリリース。SHŌGUNは、その後ケーシー・ランキンを正式メンバーに迎え、スタジオミュージシャンとしての活動と並行して作品を発表しますが、1980年代前半に解散します。

SHŌGUN解散後、1983年には斉藤ノヴ、松原正樹、島村英二、新川博らとスタジオミュージシャングループ"AKA-GUY"を結成。ライブ活動を積極的に行い、アルバムもリリースします。

「ヒゲダンス」のテーマ

長岡は、ザ・ドリフターズが出演したTBS系バラエティ番組「8時だョ!全員集合」のコントコーナー「ヒゲダンス」で使用されたテーマ曲でもベースを演奏しています。志村けんの意向で、テディ・ペンダーグラスの「Do Me」のベース音をアレンジしたこの曲は、大好評を博し、レコード化もされました。

SHŌGUNの再結成と現在

SHŌGUNは1997年にメンバーチェンジを経て再結成され、シングルとアルバムを発表。その後、ケーシー・ランキンが脱退しますが、2000年にも新曲をリリースしています。現在は芳野藤丸との2人でオリジナルメンバーとして活動を継続しており、ライブはサポートミュージシャンを迎えて行われています。

幅広いレコーディング参加作品

長岡道夫は、スタジオミュージシャンとして、ジャンルを問わず幅広いアーティストの作品に参加しています。彼の名前がクレジットされている作品は膨大で、日本の音楽史に深く刻まれています。

（主なレコーディング参加作品リストは省略）

長岡道夫は、その卓越した演奏技術と音楽に対する真摯な姿勢で、日本の音楽シーンに多大な貢献をしてきました。彼の参加作品は、これからも多くの人々に愛され続けるでしょう。

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