長崎丸 (4代)

長崎丸について

長崎丸（ながさきまる）は、長崎大学水産学部が所有する重要な練習船であり、2018年に就航した4代目の船となります。この船は、海洋科学や水産学の教育を実践するための国際的な洋上キャンパスとして機能しています。

概要

長崎丸は、前代の3代目船の後を受け継ぐ形で、2017年10月19日に進水式が行われました。この式典には河野茂長崎大学長や橘勝康水産学部長が出席し、その後、2018年3月26日に正式に竣工しました。竣工披露式は長崎市の出島岸壁で開催されたことからも、その重要性が伺えます。

本船は「東シナ海の水産・海洋科学をリードする国際洋上キャンパス」というコンセプトのもと、教育の多様なニーズに応える設備を備えています。具体的には、廃棄物処理に対応するための浄化設備や、女子学生のための専用スペース（浴室やトイレなど）が充実しています。

設計と技術

長崎丸の設計には、振動や騒音を低減させる電気推進システムが採用されています。このシステムは、主発電機4基が発電し、推進用の電動機2基が1つの可変ピッチプロペラを駆動します。このプロペラは、キャビテーションを抑制し、悪天候時の負荷軽減に寄与するため、炭素繊維強化プラスチック（CFRP）で作られた国内最大級のものです。

さらに、漁業実習や海洋観測のための各種設備も充実しており、巻き網、トロール網、延縄などの漁労設備が搭載されています。また、観測のための装置として、CTD用Aフレームや大型Aフレーム、各種観測ウィンチ、クレーンも搭載されています。

船内には、無線LANが完備されており、学生たちはリアルタイムにデータを共有し、航海及び研究を進めることが可能です。さらに、先代の長崎丸が東日本大震災時に支援活動に参加した経験を生かし、ドクターカーやコンテナユニットを搭載する機能も備えています。

漁労と研究設備

長崎丸には多様な漁労設備や研究機器がしっかりと整備されています。具体的な設備としては、以下のものがあります。

• - トロール網漁業: トロール用ウィンチ、全自動トロール装置
• - いか釣り漁業: 2台の全自動いか釣機、25灯の集魚灯
• - まき曳き網漁業: 網捌機
• - 延縄漁業: ラインホーラ、サイドローラ
• - 冷凍設備: 冷凍ストッカー（690L）と1トン/日の日常運用が可能なフレークアイス製造機

また、観測設備にはCTDシステム、XCTD/XBTシステム、環境モニタリングシステムなど、最新の技術が使われています。研究設備も多岐にわたり、塩分分析装置やPCRシステム、DNA解析システムなどが用意されています。

補足

このように、長崎丸はただの練習船ではなく、教育、研究、実習のすべてを支える重要な役割を担っています。長崎大学水産学部における学びを深めるための最高の舞台が、この船なのです。

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