長崎刑務所

長崎刑務所：歴史と現状

長崎刑務所は、福岡矯正管区に属する刑務所です。長崎県諫早市に位置し、長崎拘置支所、佐世保拘置支所、島原拘置支所、五島拘置支所の4つの支所を管轄下に持ちます。収容定員は712名、収容分類級はB級です。最寄りの駅はJR長崎本線諫早駅、または島原鉄道本諫早駅で、そこから長崎県営バスを利用できます。

歴史

長崎刑務所の歴史は古く、豊臣秀吉が天正年間（1573～1592）に長崎市内に囚獄を設置したことに始まります。その後、移転を繰り返し、明治時代には長崎監獄と改称されました。1908年（明治41年）、現在の諫早市に移転し、五大監獄の一つとして開設されました。1922年（大正11年）に長崎刑務所と改称され、1992年（平成4年）に現在の場所に再移転しました。

特に、1945年8月9日の原爆投下では、当時の浦上刑務支所が爆心地に非常に近く、収容者と職員合わせて134名全員が亡くなるという悲劇に見舞われました。旧長崎刑務所の設計は、ジャズピアニスト山下洋輔の祖父である山下啓次郎が手掛けたもので、赤レンガ造りの重厚な建物でした。移転後も残されていた旧施設は、2007年に解体されましたが、正門や尖塔の一部は保存されています。

組織

長崎刑務所の組織は、所長を頂点に3部制となっています。

総務部: 庶務課、会計課、用度課から構成され、刑務所の運営管理を担います。
処遇部: 処遇担当と企画担当からなり、受刑者の処遇や刑務所の運営に関する計画立案を行います。
* 医務部: 保健課と医療課から構成され、受刑者の健康管理を行います。

問題点

2016年には、元職員による不正行為が報道されました。この元職員は、刑務作業の指導を担当しながら、墓石修理費用など200万円以上を自己負担する「自爆営業」を行っていたとされています。この問題は、他の刑務所でも同様の行為が行われている可能性を示唆しており、矯正施設の運営に関する課題が浮き彫りになっています。

まとめ

長崎刑務所は、長い歴史と数々の出来事を経てきた施設です。原爆投下による悲劇、旧施設の解体、職員の不正行為といった出来事は、刑務所の歴史を考える上で重要な要素となっています。現在も、受刑者の更生支援や施設運営の改善に向けて努力が続けられています。しかし、課題も多く残っており、今後の改善が求められています。また、歴史的建造物であった旧長崎刑務所の跡地についても、どのように活用していくかという議論が継続されるでしょう。

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