長崎県営野球場とは？意味をやさしく解説

長崎県営野球場（ながさきけんえいやきゅうじょう）は、長崎県長崎市の平和公園敷地内に位置する野球場である。「長崎ビッグNスタジアム（ながさきビッグエヌスタジアム）」の愛称で親しまれており、施設は長崎県が所有し、長崎県スポーツ協会グループが指定管理者として運営管理を行っている。

この球場の歴史は、長崎市内にあった旧長崎市営大橋球場（1951年完成）に深く関わっている。旧球場は、長年、高校野球や社会人野球といったアマチュア公式戦のほか、プロ野球公式戦も開催されてきたが、施設の老朽化、グラウンドの狭さ（両翼90m・中堅115m）、ナイター照明の不在、外野フェンスの安全性の問題など、多くの課題を抱えていた。これらの問題を解消するため、球場を長崎県へ移管し、全面的な改築を実施することが決定された。

こうした経緯を経て、長崎ビッグNスタジアムは1997年に新たな姿で開場を迎えた。開場当初から設置されたスコアボードは、九州・山口地方では福岡ドームに次ぐ規模の全面電光式であり、公営球場としては同地域初という先進的な設備であった。これにより、当球場は九州有数の設備を誇る野球場として生まれ変わった。「長崎県民の大きな夢を育む場所になってほしい」というコンセプトに基づき名付けられた愛称の通り、開場以来、高校野球や社会人野球など、アマチュア野球の主要な大会が数多く開催されている。なお、市営球場を県に移管した市は、郊外の長崎市総合運動公園にかきどまり野球場を整備し、1998年に開場させている。

長崎ビッグNスタジアムは、開場以来、プロ野球公式戦の重要な開催地ともなっている。これまでに、セ・パ両リーグの公式戦や、以下の主要なプロ野球関連イベントが行われた。

特に、2006年 4月25日には、福岡ソフトバンクホークスが前身球場時代を含め、1989年の福岡移転後初めてとなる一軍公式戦（対東北楽天ゴールデンイーグルス戦）を開催し、大きな注目を集めた。

施設の改修も随時行われている。フィールドの人工芝は、経年劣化により2005年シーズン前に全面的な張り替えが行われ、より高性能なロングパイル人工芝に変更された。また、2017年3月には、従来の電球が製造中止となったため、スコアボードがメイン・サブ両方とも動画表示に対応したLED式フルハイビジョン仕様に更新され、より鮮明で多様な情報提供が可能となった。

プロ野球チームのキャンプ地としても利用されている。東北楽天ゴールデンイーグルスは、本拠地の気候や球場改修の事情から開幕前の調整場所を探しており、当球場の設備や構造が評価されたこと、加えて長崎県側がスポーツイベント運営のノウハウ蓄積や球場活用促進のために誘致を行った結果、双方の意向が一致し、2007年からミニキャンプが実施されている。このミニキャンプの一環として、2008年以降、楽天主催のオープン戦も複数回開催されている。長崎県と楽天球団は、今後のミニキャンプ継続についても前向きな姿勢を示している。また、独立リーグの四国・九州アイランドリーグに所属していた長崎セインツも、2008年と2009年に一部のホームゲームを開催した実績がある。

野球以外のイベントにも幅広く利用されている点は、当球場のもう一つの特徴である。

- カトリック教会による日本初の列福式（2008年）
- 福山雅治氏の野外ライブパブリックビューイングおよびサプライズ始球式（2009年）
- ローマ教皇フランシスコによるミサ（2019年）

など、大規模な宗教行事や文化イベントの会場にもなっている。

施設概要は以下の通りである。

- グラウンド規模：両翼99.1m、中堅122m
- 内外野：全面ロングパイル人工芝
- スコアボード：LED式フルハイビジョン
- 照明設備：6基
- 付帯施設：一・三塁側スタンド下に屋内練習場を完備
- 収容人員：25,000人
- 建設事業費：約72億円

構造上の特徴として、長崎本線の高架橋が三塁側スタンドに近接しているため、三塁側スタンドの形状は一塁側スタンドと若干異なり、収容規模も狭くなっている。

交通アクセスについては、公共交通機関が利用しやすい。長崎電気軌道本線の大橋電停は球場に近く、下車後すぐである。また、長崎バス・県営バスの大橋バス停、長崎バスの下大橋バス停からも徒歩1〜2分程度とアクセスが良い。

長崎県営野球場、愛称ビッグNスタジアムは、最新の設備と多様なイベント開催実績を持ち、長崎における野球のみならず、様々なスポーツイベントや文化行事の中心的な役割を果たしている。

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