長崎県立島原農業高等学校

長崎県立島原農業高等学校

長崎県島原市下折橋町に位置する公立の農業高等学校です。地元では「島原農業」や「島農」といった愛称で親しまれています。

歴史

本校は1952年（昭和27年）に設立されました。長年にわたり地域農業教育の中心的な役割を果たし、2012年には創立60周年という節目を迎えました。

教育理念

「誠実」「勤労」「創造」を校訓として掲げ、これからの時代である「食」「環境」「福祉」を重視した教育を推進しています。また、「前進 島農 あいさつ 掃除 日本一」をスローガンに、日々の実践を大切にしています。

校章と校歌

校章は、豊かな実りへの願いを込めた稲穂の上に、「高」の文字を配したデザインです。校歌は作詞：宮崎康平、作曲：寺崎良平によるもので、歌詞には島原半島の象徴である雲仙岳や、学校の眼下に広がる有明海、農業に欠かせない鍬が登場し、故郷と学び舎への思いが歌われています。各番とも「島原 島原 島原農高」で結ばれます。

設置学科

時代や社会のニーズに合わせて学科の改編が行われてきました。令和2年度以降の入学生からは、以下の3学科体制となっています。

農業ビジネス科: 動物、野菜、果樹の各コースがあり、畜産、野菜、果樹栽培、農業機械、植物バイオテクノロジー、農業経営など、幅広い専門科目を学びます。
食品サイエンス科: 食品製造、食品栄養のコースに分かれ、食品製造、食品科学、微生物利用に関する知識と技術を習得します。
* 生活創造科: 福祉看護、ライフデザインのコースがあり、草花、生活と福祉、ファッション、フードデザインなど、生活や福祉に関する専門科目を学びます。

各学科とも2年次からコースを選択し、より専門的な学習を深めます。

教育活動

教室での学びだけでなく、実践的な体験を重視しています。国内外での研修や先進地での農業見学、企業でのインターンシップ、老人ホームでの介護実習など、様々な体験学習を通して専門性を高めます。

また、地域との連携も深く、中学校との連携による「いのち」の教育、地域住民との動物ふれあいイベント、福祉施設訪問、雲仙の森づくり活動、羊を利用したエコ除草、地元産品の販売会（スクールマーケット）などを積極的に行っています。環境に配慮した農業の実践や、生徒自身による新たな商品の開発（島農ブランド）にも力を入れています。

島農ブランド

生徒の研究成果や学習活動を評価・認定する独自の制度です。これにより生徒たちの研究意欲を高め、地域貢献にも繋がっています。過去にはホルスタイン牛の品種改良、温泉トマト、そうめん饅頭、対州馬、島農チーズケーキ、島農たまごなどが認定されています。

年間行事

3学期制を採用しており、年間を通じて様々な学校行事が行われます。春の入学式に始まり、農業クラブや家庭クラブの活動、体育祭、文化祭を兼ねた農業祭では生徒が育てた農産物や加工品の販売が行われ地域に賑わいをもたらします。その他にも、産業視察研修、修学旅行、さらには小倉百人一首に独自の短歌を加えた「農高百首カルタ大会」や、日頃の研究成果を発表する課題研究発表会など、特色ある行事があります。

部活動

運動部、文化部・生活部、農事部、そして同好会があり、多くの生徒が日々の活動に励んでいます。運動部では野球部が県大会で優勝するなどの実績も上げています。農事部ではそれぞれの専門分野に関する技術向上を目指しています。

交通アクセス

最寄りの駅は島原鉄道「島原駅」、最寄りのバス停は島鉄バス「農高前」です。長崎県道58号愛野島原線からもアクセスできます。

本校は地域に根差した農業教育を通じて、未来を担う人材育成に取り組んでいます。

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