長崎県道149号俵ヶ浦日野線

長崎県道149号俵ヶ浦日野線

長崎県道149号俵ヶ浦日野線は、佐世保市の俵ヶ浦町から小島町を結ぶ一般県道です。俵ヶ浦半島の先端へ向かう際に便利なルートであり、かつては海路が主流だった地域を結ぶ重要な役割を担ってきました。

歴史

昭和30年代まで、俵ヶ浦・庵ノ浦地区へは市営交通船が利用されていましたが、県道の整備により陸路の利便性が向上し、交通船は廃止されました。朝鮮戦争を機に、沿線にある米軍の赤崎・庵崎貯油所の従業員の移動を円滑にするため、道路整備が進められました。

特徴

多様な道幅: 起点から庵崎貯油所間、終点付近の市街地は道幅が狭いですが、中間部ではセンターライン付きの2車線が確保されています。
生活道路としての側面: 各所で市道と分岐・合流を繰り返し、地域住民の生活道路として利用されています。
自然豊かなルート: 俵ヶ浦半島を縦断するため、海岸線近くまで降りることは少ないものの、佐世保湾や恵比寿湾など、美しい景色を望むことができます。
史跡: 第二次世界大戦以前の佐世保海軍工廠の遺構が残っており、歴史を感じさせる道でもあります。

ルートの様子

起点となる俵ヶ浦港付近は、センターラインのない2車線道路で、佐世保市交通局俵ヶ浦線の終点があります。道路は半島先端の高後崎まで続いており、俵ヶ浦の集落を縫うように標高を上げていきます。俵ヶ浦郵便局前の三差路で市道と分岐し、市道は白浜海水浴場や展海峰へのアクセスに便利です。

県道は佐世保湾を望みながら山間部を進み、野崎町の集落を過ぎると、米軍庵崎貯油所までは道幅が狭くなります。庵ノ浦を抜けると再び2車線となり、山間部を通り海岸線を見下ろします。椎木の集落付近からは、巨大な軍艦が停泊する恵比寿湾を一望できます。

尾根を越えると、俵ヶ浦郵便局前で分かれた市道と合流し、交通量が増加します。合流地点は小島峠と呼ばれる急勾配の場所で、ヘアピンカーブが連続します。小島峠の北に位置する赤崎貯油所の船越地下タンク周辺の用地が返還されたことを機に、小島峠の急勾配を緩和する新道の工事が進められています。

海岸近くに降り、新道工事現場と赤崎貯油所をかすめて北上し、船越の集落に入ると、佐世保市亜熱帯動植物園へ向かう市道が分岐します。赤崎岳の中腹を登り、海岸沿いの赤崎貯油所を迂回し、サミットの福祉施設明り崎荘までは山の中を走ります。下り坂から赤崎町の住宅街に入ると、交通量が増え、カーブが連続します。動植物園からの市道が合流すると、赤崎ニュータウンなどの新興住宅地への分岐が多くなります。SSKバイパスと直結する鴛の浦分道交差点からは、SSKバイパス経由の交通量が多いため、終点までの交通量は激減します。

断崖上を日野峠に向かうため、谷筋に沿ってカーブを繰り返しながら標高を上げていきます。赤崎町内・小島町内とも民家が沿線に迫っており、SSKを見下ろす断崖上には、戦前に建設された佐世保海軍工廠のドックを遮蔽するコンクリート壁が残っています。この付近は佐世保大空襲の被害を免れたため、明治期の町割りがそのまま残っています。日野峠より西側の住宅密集地で県道11号に合流し、終点となります。

周辺施設

俵ケ浦郵便局
佐世保市亜熱帯動植物園
展海峰
白浜海水浴場
佐世保市立愛宕中学校

峠

小島峠
* 日野峠

長崎県道149号俵ヶ浦日野線は、佐世保の自然と歴史を感じられる道であり、地域住民の生活を支える重要な役割を担っています。

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