長嶺将真

長嶺 将真 - 沖縄の空手家と警察官の足跡

1. 生い立ちと空手との出会い

長嶺将真（ながみね しょうしん）は、1907年7月15日に沖縄県那覇市泊村で生まれました。彼は17歳のころから空手を学び始め、19歳のときに当時の空手の権威である喜屋武朝徳の高弟、新垣安吉のもとで指導を受けることになりました。空手への情熱と努力によって、彼は徐々にその腕を磨いていきます。

2. 経歴と警察官としての活躍

1928年に那覇市立商業学校を卒業した後、長嶺は歩兵大分連隊に入隊し、済南事変にも参加。その後の1931年には沖縄県の巡査となり、嘉手納警察署で勤務しました。この職においても、地元の大先生である喜屋武朝徳に師事し、空手技術をさらに深めます。

1936年には東京で本部朝基からも指導を受ける機会を得て、技術を研鑽しました。この頃から、長嶺の空手家としての名声が広がり始めます。

3. 空手の普及とその影響

1939年6月、長嶺は大日本武徳会沖縄支部の武徳殿開殿式で演武を行い、その後も数々の公演や演武に参加。1940年には大日本武徳会より空手術錬士の資格を授与され、1941年には沖縄空手道専門委員として「普及形I」を創案しました。

1956年には沖縄空手道連盟の初代副会長に就任し、さらに1961年からの8年間、四期連盟の会長を務め、沖縄における空手の発展に大きく貢献します。また、1977年には世界松林流空手道連盟を設立し、その後も活動を続けました。

4. 受賞と栄誉

長嶺は1982年に勲五等双光旭日章を受章し、その功績が評価されました。1997年には、沖縄空手界で初の「沖縄県指定無形文化財保持者」として選ばれる栄誉に輝きましたが、同年に急性腎不全により90歳で他界しました。

5. 空手史研究者としての業績

長嶺は単なる空手家にとどまらず、空手史の研究者としても知られています。彼の著作は今なお多くの人々に影響を与え、引用され続けています。代表的な著作には『史実と伝統を守る　沖縄の空手道』（1975年）や『史実と口伝による沖縄の空手・角力名人伝』（1986年）があります。

6. まとめ

長嶺将真の生涯は、沖縄の空手の発展に大きく寄与し、後の世代に多くの足跡を残しました。彼の業績や哲学は今でも多くの空手家や愛好者によって受け継がれ、沖縄だけでなく世界中に影響を与えています。長嶺の教えと理念は、空手の精神を育むための重要な指針として、これからも語り継がれることでしょう。

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