長慶寺 (泉南市)

長慶寺の魅力と歴史

長慶寺（ちょうけいじ）は、大阪府泉南市に位置する真言宗泉涌寺派の寺院で、山号は金泉山です。本尊として如意輪観音を祀っており、あじさい寺としても広く知られています。

寺院の概要

長慶寺の境内には、開山堂である多宝塔をはじめ、三重塔や特異な形状の唐様裳階付き三重塔など、3つの塔が共存しています。特に仁王門の前には、100段の石階段に沿って美しいアジサイが花を咲かせ、季節には多くの訪問者がこの景観を楽しみに訪れます。このため、近年では「あじさい寺」としての認知も高まっています。また、毎朝6時からの勤行には自由に参加でき、地元の人々による観音講が毎月18日に開催されるなど、地域との繋がりも大切にする開かれた寺院です。

長慶寺の歴史

長慶寺は、かつて現地の北方に存在した古代寺院・海会寺の一部として創建されたとされています。寺伝によると、海会寺は神亀元年（724年）に聖武天皇の命により行基によって設立されましたが、989年には火災に見舞われ、997年に再建されました。しかし、発掘調査の結果、実際の創建は聖武天皇の時代よりも古い7世紀後半に遡ると考えられています。

海会寺という名称は近世から使用され始めたもので、最初の寺号は記録に残っていません。

また、天正5年（1577年）には織田信長による紀州攻めにより全山が焼失しましたが、奥之院の観音堂は運良く類焼を免れました。その後、慶長年間（1596年 - 1615年）に現地に観音堂が移築され、新たに諸堂が建立されました。これは豊臣秀頼の時代の再興事業であり、現在の寺号は延宝8年（1680年）、当時の本山であった仁和寺宮から与えられたものです。驚くことに、この寺号は「慶長」という年号を逆さにしたものとも言われています。

近世では岸和田藩主の岡部氏の祈願寺として栄えましたが、明治時代以降は寺勢が衰退し、本堂と庫裏を残してほとんどが消失しました。しかし、現住職の尽力により、寺院は再び整備されて現在の姿を保っています。

境内の施設

長慶寺の境内には、以下のような特徴ある施設が存在します：

• - 本堂
• - 多宝塔（開山堂）
• - 納骨堂
• - 弘法大師像
• - 持仏堂
• - 閻魔堂
• - 伏見宮博明王殿下お手植えの梅
• - 三重塔「孔雀宝塔」
• - 庭園
• - 鐘楼
• - 仁王門
• - 十三重石塔
• - 佛心殿長慶寺会館

アクセスと周辺情報

長慶寺は、阪和線の和泉砂川駅から徒歩約25分の位置にあります。また、阪和線新家駅からのコミュニティバスを利用すれば、「市場青年会場前」で下車し、徒歩約10分でアクセスできます。周辺には海会寺跡や古代史博物館、林昌寺、往生院、一岡神社、岡中鎮守社、樫井古戦場跡など、歴史を感じられるスポットが点在しています。

長慶寺を訪れ、その歴史的背景や美しい庭園の風情を体験してみてはいかがでしょうか。

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