長沢ため池

長沢ため池

長沢ため池は、山口県阿武郡阿武町大字福田上にあるため池です。2010年には農林水産省のため池百選に選定されました。

山口市鋳銭司と防府市台道にまたがる長沢池とは別の池です。地域住民からは「長沢堤（ながそうつつみ）」、「牛庵堤（ぎゅうあんつつみ）」という愛称で親しまれています。

概要

長沢ため池は、1602年（慶長7年）に益田元祥が毛利家領内の新田開発のために、農業用水の水源池として築造したと伝えられています。現在も約40haの水田を潤しており、地域の農業を支える重要な役割を果たしています。

2004年（平成16年）からは「県営ため池等整備事業長沢地区」として、排水施設の整備や周辺環境の整備が進められました。また、農事組合法人「福の里」が立ち上げられ、ミネラル米栽培に取り組んでいます。このミネラル米は、ブランド米として県内外で販売されています。

「福の里」の女性部は加工施設の運営にも携わっており、直売所では餅、野菜、花卉などが販売され、地域経済の活性化に貢献しています。

自然

長沢ため池は、豊かな自然環境も特徴です。絶滅危惧種の淡水産貝であるフネドブガイや、シロネを食草とするオオルリハムシが生息しており、貴重な生態系が保たれています。

阿武町は、長沢ため池を地域の観光資源として活用するため、池を一望できる北側に公園を整備しました。公園には、築造当時の斜樋が石碑と共に屋外展示されており、歴史的な景観を楽しむことができます。

公園からの眺めは美しく、毎年11月にはルーラル315フェスタが開催され、県内外から多くの人々が訪れます。

アクセス

道路:
国道315号 - 並走
公共交通機関:
山陰本線須佐駅

脚注

ため池百選

関連項目

阿武町
ため池百選

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