阿武町

山口県阿武町について

阿武町（あぶちょう）は、山口県の北部に位置し、日本海に面した自然豊かな町です。阿武郡に属しており、北長門海岸国定公園に面した美しい海岸線が特徴です。町内には山陰本線と国道191号が走り、交通の便も確保されています。

地理

阿武町は、海に面した奈古地区と宇田郷地区、そして山間部の福賀地区という3つの地域から構成されています。奈古地区と宇田郷地区は比較的温暖な気候ですが、福賀地区は盆地のため冬には積雪が多くなります。特に福賀地区は、積雪や大雨により道路が封鎖され、過去には孤立したこともあります。

歴史

1955年、奈古町、福賀村、宇田郷村が合併して阿武町が誕生しました。2004年には近隣自治体との広域合併を目指しましたが、協議の結果、単独町政を維持することになりました。2005年に周囲の町村が萩市と合併した際、阿武町は消防業務などを萩市に委託しています。また、2018年にはイージス・アショアの設置に反対の姿勢を表明しました。

産業と特産品

農業と漁業が盛んで、特に無角和牛とキウイフルーツは町の名産品です。奈古地区と宇田郷地区には漁港があり、山間部の福賀地区では農業や林業が行われています。

人口と課題

阿武町は人口減少が続いており、将来的に消滅する可能性のある「消滅可能性都市」の一つに指定されています。このため、地域活性化が課題となっています。

行政

町長は花田憲彦氏で、2017年に就任しました。町役場は奈古にあり、宇田郷と福賀にはそれぞれ支所が設置されています。消防は萩市に委託されており、警察は萩警察署の管轄です。

臨時特別給付金の誤振込事件

2022年4月、阿武町は臨時特別給付金を誤って一人の住民の口座に振り込んでしまうという事件が発生しました。この住民は返金を拒否し、その後逮捕される事態となりました。最終的には誤振込された全額が回収され、町長を含む関係者が処分されました。この事件は、阿武町だけでなく全国的にも注目を集めました。

議会

町議会の定数は8人で、任期は2021年11月から2025年11月までです。衆議院の選挙区は山口3区に属しています。

教育

町内には、山口県立萩高等学校奈古分校、阿武中学校、福賀中学校、阿武小学校、福賀小学校があります。

交通

町内にはJR山陰本線が走り、宇田郷駅、木与駅、奈古駅があります。また、防長交通の路線バスが萩市中心部と町を結んでいます。町営バスやコミュニティワゴンも運行しており、住民の移動手段を確保しています。道路は、国道191号と国道315号が通っています。最寄りの空港は萩・石見空港で、空港と町内を結ぶ乗合タクシーが利用可能です。

名所・旧跡・観光スポット

阿武町には、白須たたら製鉄遺跡（国の史跡）、惣郷川橋梁、道の駅阿武町、佐々木小次郎の墓、鶴ヶ嶺八幡宮、宇田八幡宮、太用寺聖観音菩薩などの名所・旧跡があります。

祭事・催事

各地区で催し物が開催されますが、町全体での大きなイベントは少ないです。主なものとしては、福賀地区の福賀大農業まつり、奈古地区の日本海なご夏まつりイカダ大会があります。

出身・ゆかりのある人物

阿武町出身の著名人には、広島テレビアナウンサーの小野宏樹氏、外交官の兼原信克氏、政治家の西村礼作氏、実業家の岡十郎氏などがいます。また、戦国大名の尼子義久も晩年を阿武町で過ごしました。

阿武町は、豊かな自然と歴史、そして地域の人々の温かさが魅力の町です。観光の際には、ぜひこれらの情報を参考にしてください。

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