長泉寺 (本庄市)

長泉寺（ちょうせんじ）

長泉寺は、埼玉県本庄市児玉町にある曹洞宗の寺院です。豊かな自然に囲まれた境内に、長い歴史と文化が息づいています。

歴史

長泉寺は文明4年（1474年）に関東管領であった上杉顕定によって開基されました。ただし、寺に伝わる位牌には、2代後の関東管領である上杉憲房の名が記されているため、実際の開基者は憲房である可能性も指摘されています。

当時は曹洞宗の修行道場として知られ、最盛期には多くの修行僧が集まりました。境内は広大で、約3万平方メートルもの大伽藍を誇っていましたが、天保13年（1842年）の山火事により焼失してしまいました。

骨波田のフジ

長泉寺の境内には、宝暦3年（1753年）に植えられたと伝えられる、樹齢650年を超える見事な藤、「骨波田のフジ」があります。この藤には、次のような言い伝えがあります。

かつて長泉寺の第19世住職となる仏国哲眼が寺に向かう途中、荷物の紐が切れて困っていました。その時、近くにあった古い藤の蔓を紐の代わりにして荷物を運びました。寺に到着後、不要になった蔓を庭に捨てたところ、その蔓が根付き、成長して現在の「骨波田のフジ」になったと言われています。

「骨波田のフジ」は、昭和34年3月20日に埼玉県指定天然記念物に指定されています。

藤棚の広さは約2000平方メートルに及び、樹齢350年と250年の藤も生育しています。境内には8種類の藤があり、濃藤色、淡藤色、ピンク色、白色の4色の花が咲き誇り、その総面積は約2500平方メートルにもなります。見頃の時期には、多くの観光客が訪れ、その美しさに魅了されます。

文化財

骨波田のフジ（埼玉県指定天然記念物）

交通アクセス

車：本庄児玉ICから約21分

脚注

参考文献
花井泰子、花井敬、青木忠雄 著『さいたま寺社めぐり 夫婦で訪ねた四季の寺社76選』幹書房、1999年

外部リンク

* 東国花の寺 百ヶ寺 骨波田の藤 天然記念物 児玉町の長泉寺

長泉寺は、歴史と自然が調和した美しい寺院です。特に春の藤の季節には、その壮大な景色をぜひ一度訪れてみてください。

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