長浜城 (近江国)

長浜城の歴史と魅力

長浜城（ながはまじょう）は、滋賀県長浜市の豊公園区域にあった日本の名城です。この城は織田信長の家臣であり、後に天下人として知られる豊臣秀吉によって築城されました。1573年に浅井長政攻めの功績をもとに信長から旧浅井氏の領地を拝領し、築城が始まりました。工事には小谷城で使われた資材が流用され、また火災後の復興で寄付された木材も使用されました。

城は水城として設計されており、湖の水面に石垣を築き、城内からは直接船での出入りが可能でした。秀吉はこの城に入城後、領国経営の基礎を築くため、城下町を整備しました。さらに、長浜城は秀吉の初めての居城であり、その後の彼の勢力拡大の起点ともなりました。

1581年には、信長の代わりに堀秀政が城主に任命され、その後1582年の本能寺の変では明智光秀の手に落ちます。秀吉の妻や子供たちは逃げ出し、その間に阿閉貞征が城を占拠。阿閉は山崎の戦いで敗れ、その結果、長浜城は再び秀吉による支配下に戻りました。

1586年には天正地震によって城は全壊し、城主の山内一豊の息女も亡くなる事態となります。地震の影響で一部の城が湖に沈んだため、現在はその遺跡が残っています。1606年には内藤信成・信正が新たな城主として任命されましたが、1615年の大坂の陣後には長浜城は廃城となりました。資材の多くは彦根城の建設に流用され、彦根城内には長浜城から移されたとされる構造物も存在しています。

今日の長浜城は1983年に復興された天守を持ち、市立長浜城歴史博物館として活用されています。復興された天守は犬山城や伏見城をモデルにし、地域の歴史を学ぶ貴重な場所となっています。

長浜城にまつわる伝説

長浜城には多くの伝説が存在します。その中に「おかね」と「おきく」の話があります。「おかね」は長浜一の美女とされ、築城工事中に人柱として埋められました。その影響で城の北側にある堀は「おかね堀」と名付けられ、現在も石碑でその伝説が語り継がれています。

おきくの伝説では、京極氏の武士が人柱を探し、漁師に娘を尋ねるというエピソードがあり、姉の「おきく」が盲目の妹を守るため自ら人柱となります。天守閣跡近くにはおきくを祀る祠があります。

周辺施設と観光スポット

長浜城周辺には豊公園や長浜港、成田美術館、長浜文化芸術会館などの観光名所があります。特に長浜港からは美しい湖の風景を堪能でき、訪れる人々を魅了しています。また、長浜鉄道スクエアや長浜太閤温泉も近くにあり、観光地としての魅力が詰まっています。

このように長浜城は単なる歴史的な遺跡としての価値だけでなく、地域文化や伝説が息づく場所でもあります。多くの人々がその美しい風景と深い歴史を知りに訪れることでしょう。

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