長潟 (新潟市中央区)

長潟（ながた）

新潟県新潟市中央区に位置する長潟は、一丁目から三丁目までの町域と、大字長潟からなる地域です。郵便番号は950-0932が割り当てられています。この地は、新潟市の中心部にありながら、鳥屋野潟の南に広がる低い砂丘の上に形成されています。現在の行政地名のうち、一丁目から三丁目は住居表示が実施されている区域ですが、大字長潟は住居表示未実施区域です。

この地の歴史は古く、江戸時代初期の寛永17年（1640年）にまで遡ります。加賀国（現在の石川県の一部）の細坪村から移住してきた仁兵衛、清蔵を含む8名の人々によって、この地の開拓が始まりました。当初は長潟新田と呼ばれており、現在の長潟の区域は、かつての長潟新田の一部を受け継いでいます。

行政区画の変遷を見てみると、明治22年（1889年）4月1日の市町村合併により、長潟新田は周辺の村々と合併して山潟村の大字となりました。その後、明治34年（1901年）11月1日には、さらなる合併を経て石山村の大字へと所属が変更されます。そして、昭和18年（1943年）5月3日には、石山村が新潟市に編入されたことにより、長潟は新潟市の大字となりました。

現在の町名としての「長潟」は、比較的歴史が浅いものです。昭和60年（1985年）に、それまでの大字長潟の一部が整理され、長潟一丁目から三丁目が誕生しました。一方で、大字長潟も引き続き存続し、現在に至っています。また、長潟からはいくつかの新しい町字が分立しています。昭和37年（1962年）には、長潟の一部が改称されて清五郎となりました。清五郎という地名は、この地を開拓した初期の移住者の一人であり、最初に亡くなったとされる人物「清五郎」の名に由来すると伝えられています。さらに、昭和60年（1985年）には、長潟の一部が再び改称され、南長潟が生まれました。このように、長潟の区域は時代の変化とともに細分化されてきた歴史を持っています。

近年の長潟は、昭和40年代後半頃から顕著な人口増加が見られるようになりました。これに伴い、地域は急速に住宅地としての発展を遂げ、多くの人々が暮らす地域へと変貌しました。

長潟は、その周囲を様々な町字に囲まれています。北から東回りにかけて、以下のような地域と隣接しています。

• - 弁天橋通
• - 姥ケ山
• - 南長潟
• - 江南区亀田長潟
• - 清五郎

また、広大な鳥屋野潟を挟んだ対岸には、紫竹山が位置しており、地理的に近接しています。

地域内には、新潟県を代表するスポーツ施設が立地しています。例えば、プロ野球の公式戦なども開催される新潟県立野球場、通称「HARD OFF ECOスタジアム新潟」や、広大な敷地を持つ新潟県スポーツ公園があります。これらの施設は、市民のスポーツ活動や憩いの場として広く利用されています。

文化的な側面としては、「藻たぐり甚句（もたぐりじんく）」がこの地に伝わる伝統的な民謡として知られています。別名「長潟甚句」とも呼ばれるこの甚句は、かつて堀や水路に生えた藻を刈り取る作業の際に歌われた労働歌が変化したものであり、その動きが歌に取り入れられています。

交通網としては、地域内を新潟県道290号曽野木一日市線が通っており、周辺地域とのアクセスを担っています。

長潟は、江戸時代の開拓に始まり、幾多の行政区画の変更や地名の分立を経て、現代の住宅地へと発展してきた歴史を持つ地域です。鳥屋野潟の自然に寄り添いながら、スポーツ施設や文化も息づく、多様な顔を持つ町と言えるでしょう。

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