長生院 (浅野長政正室)

長生院（ちょうせいいん）

長生院は、戦国時代から江戸時代初期にかけての女性で、浅野長政の正室として知られています。彼女の出自については諸説ありますが、通説では杉原定利の娘とされ、姉に豊臣秀吉の正室である高台院（ねね）がいます。長生院は、浅野長政との間に多くの子をもうけ、浅野家の繁栄に貢献しました。

生涯

長生院の幼名は「やや」または「お祢々」と伝えられています。また、末津姫という名も使われていたようです。彼女は、姉のねねと共に、浅野長勝とその妻である七曲殿の養女となり、後に安井重継の子である長政と結婚しました。これにより、長政は浅野家の婿養子となり、浅野家を継ぐことになりました。

しかし、長生院の出自については、浅野家の系図には彼女が浅野長勝の実の娘であるという説も存在します。この説では、母は長勝の先妻である勝福院とされており、ねねとは義理の姉妹だったことになります。

長生院は、長政との間に多くの子をもうけました。その中には、浅野幸長、浅野長晟、浅野長重など、後に浅野家を支えることになる人物も含まれています。また、豊姫や智相院など、他の大名家に嫁いだ娘たちもいます。

慶長16年（1611年）に夫の長政が亡くなると、長生院は出家し、一宝宗玉と名乗りました。また、長重が治める真岡の領地から3千石を隠居料として受け取りました。しかし、慶長18年（1613年）には、長男の幸長も亡くなり、その遺領を誰が継ぐかで争いが起こりました。長生院は、三男の長重に継がせたいと願いましたが、最終的には次男の長晟が跡を継ぎました。

元和2年（1616年）、長生院は江戸で亡くなりました。その葬儀の際には、徳川義直から銀100枚が贈られました。彼女の墓は、夫の長政と同じく天目山伝正寺にあり、戒名は長生院殿一宝宗玉大姉です。

関連作品

長生院は、その波乱に満ちた生涯から、多くのテレビドラマの題材にもなっています。以下に、彼女が登場する主な作品を列挙します。

『太閤記』（1965年、NHK大河ドラマ、演：本間千代子）
『亭主の好きな柿8年』（1970年、NET、演：吉沢京子）
『大坂城の女』（1970年、KTV、演：京町一代）
『新書太閤記』（1973年、NET、演：岡崎友紀）
『おんな太閤記』（1981年、NHK大河ドラマ、演：浅茅陽子）
『利家とまつ〜加賀百万石物語〜』（2002年、NHK大河ドラマ、演：林真里花）
『功名が辻』（2006年、NHK大河ドラマ、演：真由子）
『寧々〜おんな太閤記』（2009年、TX、演：星野真里）

これらの作品を通して、長生院の生涯をより深く知ることができます。

参考文献

手島益雄『国立国会図書館デジタルコレクション 浅野長政公伝』東京芸備社、1920年。
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/962737/18 国立国会図書館デジタルコレクション。
浅野史蹟顕彰会 編『国立国会図書館デジタルコレクション 浅野荘と浅野氏』浅野史蹟顕彰会、1917年。
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/926969/36 国立国会図書館デジタルコレクション。

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