長田暁二

長田暁二について

長田暁二（おさだ ぎょうじ）は、1930年3月19日に岡山県笠岡市に生まれた日本の音楽文化研究者であり、音楽プロデューサーとして名を馳せています。ポリドール・レコード、徳間音楽工業、テイチクエンタテインメントといった著名なレコード会社でのキャリアを経て、音楽業界に多大な影響を与えてきました。

来歴

長田は、笠岡市の禅寺威徳寺の次男として育ち、1953年に駒澤大学の英米文学科を卒業しました。在学中はコロムビアレコードでアルバイトを果たし、音楽の世界に足を踏み入れました。卒業後すぐにキングレコードに入社し、22年間にわたって童謡のディレクターを務めました。

彼の業績は1975年にポリドール・レコードへ移籍してからも続き、学芸部長を務めた後、徳間音楽工業の常務取締役やテイチクエンタテインメントの顧問職に就きました。1982年には音楽制作会社「明治音楽企画」を設立し、その代表取締役となりました。また、同年の10月には出家を果たし、仏門に帰依したことでも知られています。

音楽への情熱

長田の音楽活動は非常に多岐にわたります。童謡、民謡、軍歌、流行歌、オペラなど、あらゆるジャンルに関心を抱き、その中でも特に抒情歌への理解と造詣の深さが際立っています。彼の受賞歴は華々しく、1968年には芸術祭賞を受賞し、その後数々の音楽賞を獲得しました。特に「ちいさい秋みつけた」を含む童謡での受賞は顕著です。

著作と講演

著書は約500冊にのぼり、「流行歌20世紀」や「日本民謡事典」などが含まれています。また、新聞や雑誌への寄稿活動、コンサートの舞台構成、演出、司会、さらにはテレビやラジオでの台本作成や出演もこなしています。音楽文化の普及にも尽力し、講演活動を通じて音楽の重要性を伝える役割を果たしています。

戦争と音楽

長田は2015年に『戦争が遺した歌 - 歌が明かす戦争の背景』を刊行し、音楽を通じた戦争の意義や平和の大切さを提起しました。この著作は「歌の視点から戦争と平和を問うた大著」として多くの評価を受け、同年にはJASRAC音楽文化賞を受賞しました。

音楽との出会い

彼の音楽への強い思いは、幼少期の経験に起因しています。3歳で汽車にひかれ入院した際、父親によってポータブル蓄音機を手に入れられ、その音楽を聴くことで癒されました。学校生活では周囲の友達とはなかなかうまくいかず、自信を持てなかった彼ですが、音楽の授業での褒め言葉がきっかけで、自信を持つことができました。このように、彼の音楽への情熱は早い段階から形成されていました。

長田暁二の存在は、日本の音楽文化に計り知れない影響を与え続けています。彼の研究や制作活動を通じて、多くの人々が音楽の持つ力を再認識し、より深く楽しむきっかけを得ていることでしょう。

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