長白朝鮮族自治県

長白朝鮮族自治県（ちょうはくちょうせんぞくじちけん）

長白朝鮮族自治県は、中華人民共和国吉林省白山市に位置する自治県であり、中国国内で唯一の朝鮮族自治県として知られています。朝鮮語では장백조선족자치현と表記します。県人民政府は長白鎮に所在し、1.4万人ほどの朝鮮族住民が暮らしています。

地理

長白県は、吉林省の南東部、長白山の南麓、鴨緑江の上流に位置しています。特に東南方向は鴨緑江を挟んで、北朝鮮両江道の恵山市、三池淵市、普天郡、三水郡、金正淑郡、金亨稷郡と約260.5kmにわたる国境線を接しています。西は白山市の臨江市、北は撫松県と隣接しています。

歴史

1677年、清朝は長白山一帯を封禁地域として立ち入りを制限しました。しかし、1877年に禁令が解除されると、本格的な開発が始まりました。当初は通化県や臨江県の一部でしたが、1908年に長白府が設置され、中央政府による統治が開始されました。1911年には長白署理と改称され、中華民国成立後の1913年に長白県となりました。その後、満洲国、中華人民共和国と行政区画は引き継がれ、1958年9月15日に長白朝鮮族自治県が成立し、1985年以降は渾江市（現在の白山市）の管轄となっています。

行政区画

現在、長白朝鮮族自治県は以下の7つの鎮と1つの郷を管轄しています。

鎮：長白鎮、八道溝鎮、十四道溝鎮、馬鹿溝鎮、宝泉山鎮、新房子鎮、十二道溝鎮
郷：金華郷

交通

道路
G331国道
長恵国際大橋

経済

長白県は、林業、水力発電、鉱業、高麗人参、医薬品、保健食品の生産が盛んです。2004年にはGDPが10億元を突破し、一人当たりでは1万元を超えました。農村部の一人当たり純収入は2779元、都市部の一人当たり可処分所得は5094元となっています。鴨緑江を挟んだ対岸の金亨稷郡との間では、2018年以降、密輸が頻繁に行われていることが指摘されています。

観光

長白県は「長白林海、人参之郷」とも呼ばれ、長白山天池の南斜面など、多くの景勝地があります。また、春秋戦国時代の溝子古墓群も存在します。

中朝国境観光では、長白山天池の東斜面や、金日成革命歴史遺跡（白頭山密営、普天堡戦跡地、普天堡戦闘勝利記念塔、両江道事跡館）、両江道芸術大学の特別公演などが人気です。

外部リンク

長白朝鮮族自治県人民政府
* 朝鮮族ネット

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