長砂2号墳

長砂2号墳について

長砂2号墳、または長砂の石棺と呼ばれるこの古墳は、岡山県総社市久代に位置しています。この古墳は、形状が方墳で、長砂古墳群に属する重要な遺跡の一つです。長砂2号墳は、現在史跡としての指定は受けていませんが、その独特の構造や歴史的背景から注目されています。

概要

長砂2号墳は、岡山県南部の新本川中流域北岸にある丘陵の端（標高約40メートル）に築かれた小型の方墳です。周囲は開墾などにより変更が加えられており、石槨前面は崩落してしまい、現在は崖状になっています。驚くべきことに、これまでのところ発掘調査は行われていないため、具体的な埋葬品や構造の詳細は不明な点が多いです。

この古墳の形は正方形で、一辺の長さは約9メートルです。内部には横口式石槨があり、南方向に開口しています。この方式の石槨は、岡山県内で唯一のものです。また、石槨に使用されている石材は、兵庫県加古川市の竜山石である点も、この古墳の価値を一層高めています。

古墳の築造時期は、古墳時代の終末期である7世紀代と推定されています。長砂2号墳は、岡山県内における後期古墳の最後を飾る存在であり、この地域が古代の下道郡に位置していたことから、古代氏族である下道氏との関係が示唆されています。

埋葬施設

長砂2号墳の埋葬施設は、横口式石槨で構成されており、南方向に開口しています。石槨は短い羨道を持つ構造で、小口が開いているデザインです。具体的な規模は以下の通りです：

• - 石槨部（石棺）: 長さ2.03メートル、幅0.86メートル、高さ0.57メートル
• - 羨道: 長さ2.45メートル、幅1.3メートル、高さ1.2メートル

石槨部は兵庫県加古川市の竜山石製の刳抜式石棺であり、小口の一方が開口しています。また、蓋板は周囲の石碑の台石に使用されています。これは、安永4年（1775年）銘の石碑からも確認でき、この時期には既に石槨が発掘されていた可能性があります。羨道の構造は花崗岩の割石で作られています。さらに『吉備郡史』によれば、石棺の蓋石は屋根のような形状をしており、石棺と羨道の接続部分には漆灰が見られたと記されていますが、現在についての詳細は分かっていません。

参考文献

長砂2号墳に関する詳細な情報は以下の文献に記されています：

• - 「長砂二号墳」『岡山県史』第18巻 考古資料、岡山県、1986年。
• - 「長砂2号墳」『総社市史』考古資料編、総社市、1987年。
• - 「長砂の石棺」『岡山県の地名』平凡社〈日本歴史地名大系34〉、1988年。

関連項目

• - 下道氏

長砂2号墳は、岡山県の歴史や文化を語る上で、非常に重要な遺跡となっています。今後の研究によって、さらなる発見や理解が進むことが期待されています。

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