長老 (キリスト教)

キリスト教における長老の役割と職制

キリスト教における「長老」は、主に教会の職制としての意義を持っています。特に長老制を採用しているプロテスタントの教会において、長老は「πρεσβυτερος」というギリシャ語に由来し、教会の運営に関与しています。正教会では、長老という言葉は司祭を指すことが一般的ですが、特に日本の正教会訳聖書では、同じ用語が「長老」として翻訳されることもあります。

聖書と長老

聖書の中には長老に関する記述が多く見られ、その役割は教会の運営と指導に欠かせません。プロテスタント系の教会では、長老制を採用しており、長老会という組織が形成されることが一般的です。ルター派や改革派、バプテスト派などの教派でも長老の存在が見受けられることがあります。

治会長老

治会長老は、通常「長老」と呼ばれる職で、教会員の選挙によって選ばれます。彼らは牧師と共に牧会の責任を担い、牧師が説教する際にはその教理が正しく解かれているかどうかを吟味する重要な役割を果たしています。

宣教長老

もう一つの役職、宣教長老は牧師や伝道師と呼ばれる教職者を指し、治会長老と共に長老会を構成します。通常は主任牧師が長老会議の議長を務めます。

正教会における長老

正教会では、長老の概念が少し異なります。長老は一般的に司祭を指し、特定の職制において特別な役割を担っています。

エホバの証人の長老

エホバの証人においては、長老は会衆を指導するために任命された男性信者を指し、巡回監督としての役割を持つことがあります。各会衆には「長老団」が存在し、その中から数名が巡回監督として任命されることが一般的です。エホバの証人では、長老には調整者、書記、奉仕監督といった役職があり、これらは金銭的報酬がない無給の職務です。

エホバの証人の信者たちは、長老の役割を聖書で示されている「年長者」や「監督」、「牧者」という言葉の現代的な用法と異なる位置付けとして考えています。このため、一般的な役職名の呼称が使われないこともあります。また、エホバの証人の統治体が長老を直接任命することはないものの、候補者は長老としての任命を受けた後、巡回監督や理事としての役割に就くことが求められます。

このように、キリスト教各派における長老の役割は異なり、教会の運営や信者との関係において重要な位置を占めています。それぞれの教会が持つ特性によって、長老の職務内容も多様です。

もう一度検索