長股人

長股人・長脚人の伝説

長股人（ちょうこじん）、長脚人（ちょうきゃくじん）、長脛人（ちょうけいじん）は古代中国に語り継がれる伝説的な人種です。これらは修股（しゅうこ）とも呼ばれ、その特徴は非常に長い足を持っていることです。伝説では、彼らは古代中国の西方地域に住んでいたとされています。

古代文献における記録

古代中国の地理書『山海経』によると、長股人は長股国という国に住んでおり、これは粛慎国の北側に位置しているとされています。この文献中で描かれる長股人は、非常に長い足を持ち、特異な姿をしています。別の書物、王圻による『三才図会』では、彼らが「長脚」として紹介され、周囲の人々と共生している様子が記されています。長脚人たちは、近隣に住む長臂人（ちょうひじん）を背負い、海に出て魚を捕ることが描写されています。

日本においても彼らの存在は広まり、足長（あしなが）という名で知られるようになりました。特に『三才図会』における魚を捕るための行動は、絵画としても表現されており、日本の文化にも影響を与えています。1789年に発行された『頭書増補訓蒙図彙大成』の中では、長脚（ちょうきゃく）とともに「あしなが」と記されており、長脚人の特性についての詳細も添えられています。

日本文学における長股人の登場

日本の文献にも長股人が登場することがあります。たとえば、遊谷子が著した『異国奇談和荘兵衛』の後編（1779年）では、長足国が舞台となり、長股人が描かれています。ここでは、彼の身長が非常に高く、その長い足の割合が詳細に描かれています。具体的には、身長は1丈5尺から6尺で、足は1丈1尺から2尺とされています。彼らは物を取るのが不自由であるため、手長島に住む人を背中に背負って行動している様子が描写されています。

また、葛飾北斎の『北斎漫画』第3編（1815年）にも長股人が登場し、「長脚」と記されて「あしなが」と読ませています。更に歌川国芳の「朝比奈諸国廻り図」で描かれる異国の人物たちの中にも長股人が含まれており、あし長島という場所が示されています。河鍋暁斎の作品「柿の曲食」も、長股人と手長人を描いた戯画の一部として知られています。

まとめ

これらの伝説は、中国と日本の文化において長股人や長脚人の概念を形成し、影響を与え続けてきました。彼らの特異な特徴は、さまざまな表現の中で生き続け、多くの世代に渡り語り継がれています。長股人の物語は、ただの伝説にとどまらず、文化的アイコンとしても重要な位置を占めています。

もう一度検索