長谷寺 (倉吉市)

長谷寺（はせでら）

長谷寺は、鳥取県の倉吉市に位置する天台宗の寺院で、中国三十三観音霊場の第三十番札所として名を馳せています。奈良時代の養老5年（721年）に法道によって創建されたと伝えられており、もともとは長谷村にありました。その後、現在の場所に移転したとされています。

歴史

寺の創設以来の詳細は明らかではありませんが、中世には禅宗の寺院として利用されていたことが知られています。1301年の梵鐘の銘文には「伯州久米郷長谷寺鐘」と刻まれており、この頃にはすでに寺院が存在していたことが確認できます。のちに、豊臣秀吉による時代の混乱により一時衰退しましたが、米子城主の中村一忠によって再興され、その際に天台宗に転宗しました。

境内は打吹山の斜面に位置し、室町時代に再建された本堂が急斜面に合わせて設計されています。この本堂内には、国の重要文化財に指定されている木造の十一面観音菩薩坐像が安置されています。

本堂内壁には室町時代から江戸時代にかけて奉納された多くの絵馬が掛けられており、現在は庫裏に展示されています。これにより、長谷寺は「絵馬の寺」という名でも広く知られるようになりました。

伽藍

長谷寺の主要な建物には以下のものがあります：

• - 本堂
• - 仁王門
• - 鐘楼
• - 庫裏

文化財

長谷寺には多くの文化財があります。

• - 本堂内厨子：室町時代後期に作られた禅宗様の構造が特徴の厨子があり、国の重要文化財に指定されています（1988年12月19日指定）。
• - 本堂：桃山時代に建立され、江戸時代後期に現在の形に改修されています。
• - 仁王門：江戸時代に建てられた門で、仁王像が安置されています。
• - 梵鐘：1393年の銘があり、1956年に文化財に指定されました。
• - 絵馬：室町時代から江戸時代にかけてのもので、二度で文化財に指定されています。
• - 木造十一面観音菩薩坐像：秘仏として安置されている、室町時代初期に作られた像です。

年中行事・祭事

• - 牛玉授け：2月下旬に開催される伝統行事。
• - 観音市：同じく2月下旬に開催される市。

交通アクセス

長谷寺へのアクセスは以下の通りです：

• - 山陰本線 倉吉駅から、日本交通または日ノ丸バスの市内線に乗り、「長谷寺西口」下車後、徒歩10分。
• - 倉吉駅からバスに乗り、「赤瓦・白壁土蔵（明治町）」下車、打吹公園を経由して徒歩30分。

周辺情報

近隣には打吹玉川という重要伝統的建造物群保存地区や、打吹公園があります。これらは長谷寺を訪れる際の見所ともなっています。歴史を感じるこの寺院は、訪れる者に多くの教訓や感動を与えてくれることでしょう。

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