長谷川公之

長谷川 公之（はせがわ きみゆき）の人物像

長谷川公之（1925年6月25日 - 2003年6月15日）は、日本の著名な脚本家及び美術評論家として知られています。彼は東京都に生まれ、千葉大学の医学部を卒業した後、警視庁に勤務し、刑事部の鑑識課法医学室に従事しました。そこでの経験は、後の彼の創作活動において大いに役立ちました。

警視庁での経験と脚本家デビュー

彼は1950年に警視庁に入庁し、検死に関わる業務を行う一方で、学生時代に執筆した作品が映画化されたことを機に脚本家としての道を歩み始めました。1957年、彼は警視庁を退職し、脚本家としての活動に専念しました。彼のデビュー作は、島耕二監督による『君と行くアメリカ航路』（新東宝）であり、これにより彼の脚本家としてのキャリアがスタートしました。

脚本家としての多彩な作品

長谷川の手掛けた脚本は多岐にわたり、特に科学捜査や論理的推理を基にした作品が多くあります。彼の代表作には、東映の『警視庁物語』シリーズやTBSの『七人の刑事』などがあります。1978年には、澤地久枝のノンフィクション作品を原作としたテレビドラマ『密約 外務省機密漏洩事件』の脚本を担当し、この作品は後に映画化もされました。最近では、密約に関する証言や文書が明らかになり、彼の作品が再評価される場面も見られています。

美術評論家としての活動

また、長谷川は脚本家だけでなく、美術評論家としても活躍しました。1970年代から『美術手帖』をはじめ、様々な媒体で版画や美術全般に関する評論を展開しました。さらに、季刊誌『版画芸術』の発行にも関与し、版画を中心とした美術の普及にも貢献しています。

亡くなるまでの足跡

2003年6月15日、呼吸不全により東京都の病院で生涯を閉じました。長谷川の作品は、後世においても映画やテレビドラマの形で生き続けており、彼の業績は日本の脚本家としての地位を確立しています。彼の脚本は協同組合日本シナリオ作家協会へ信託されており、作品としての存在が今後も承継されるでしょう。

主な作品

映画

• - 君と行くアメリカ航路（1950年）
• - 警視庁物語シリーズ（1956年〜1964年）
• - 密約 外務省機密漏洩事件（1988年）

テレビドラマ

• - 七人の刑事（1961年）
• - 新幹線公安官（1977年・1978年）
• - 仮面ライダー（1971年）

著書

• - 現代版画図鑑（1977年）
• - 警視庁物語—長谷川公之シナリオ・コレクション（1994年）

長谷川公之は、日本の芸術とメディアの分野において文字通り多くの足跡を残した人物です。

もう一度検索