長谷川忠国

長谷川忠国の生涯

長谷川忠国は、江戸時代前期から中期にかけて活躍した武士で、江戸幕府の旗本であり、飛騨代官を務めました。明暦3年（1657年）に長谷川忠候の子として生まれ、450俵の家禄を継ぎました。

宝永6年（1709年）には勘定に任じられ、幕府の財政に関わる役職に就きました。その後、享保3年（1718年）には但馬国生野に赴任し、同役の石川信統と共に幕府領の支配に携わります。さらに翌年の享保4年（1719年）からは、越後国の幕府領も預かり支配しました。

享保5年（1720年）には代官に昇進し、陸奥国岡陣屋の支配を任されます。この時、役料として200俵が支給されました。その後、享保7年（1722年）には出羽国漆山陣屋へと場所を移し、同地を治めます。享保8年（1723年）には、寒河江代官の森山実輝と共に由利・庄内において定免法を実施し、年貢徴収の安定化を図りました。出羽国支配中の享保9年（1724年）には、旧来の制度を改め、廻船の便宜を図ることで米穀の価格上昇を促し、荒廃地の開墾を推進しました。これらの功績により、100俵が加増されています。

同年、長谷川忠国は飛騨代官に転任し、享保11年（1726年）からは美濃国下川辺に出張陣屋を設置します。飛騨代官への転任時に、引継ぎ書類を精査したところ、帳簿に記載されていない大量の榑木（26万挺）が山中に隠されていることを発見しました。この不正を明らかにした忠国は、国内の木の伐採を3年間停止させ、不要な木材を売却することで、10万両もの利益を上げました。この功績により、10分の1の報奨金が支給される予定でしたが、忠国はこれを辞退しました。また、享保11年（1726年）には、支配所の事務に精励したことで租税収入が増加し、その手腕が高く評価され、150俵を加増され、合計450俵の家禄となりました。

享保13年（1728年）5月18日、長谷川忠国は72歳で亡くなりました。家督は子の忠崇が継ぎ、彼もまた飛騨代官となりました。

長谷川忠国の経歴

宝永6年（1709年）：勘定に就任
享保3年（1718年）：但馬国生野へ赴任
享保5年（1720年）：代官に昇進
享保7年（1722年）：漆山陣屋へ転任
享保9年（1724年）：飛騨代官に転任
享保13年（1728年）：死去

参考文献

* 村上直ほか共編『徳川幕府全代官人名辞典』東京堂出版、2015年、365-366頁。

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