長谷川清二郎

長谷川清二郎について

長谷川清二郎（はせがわ せいじろう、1918年 - 1977年12月以前）は、日本の元将棋棋士で、千葉県寒川宿（現在の千葉市中央区寒川町）出身です。彼はアマチュアとして将棋を学び、石井秀吉の門下でその才能を磨きました。長谷川は青年時代から将棋に魅了された彼は、特にアマチュアの全国将棋大会での優勝をきっかけに、プロ棋士への道を歩み始めました。プロとしてのキャリアは七段に達するも、精神疾患に苦しむこととなり、30歳の時に無期限の休場を余儀なくされ、その後は日本将棋連盟を退会しました。

経歴

幼少期から将棋に興味を持つ長谷川は、石井秀吉から指導を受ける中で次第にその実力を高めていきました。1935年、彼は第1回全日本アマチュア将棋選手権大会に関東代表として出場し、若干17歳で優勝を果たしました。この成功が彼にプロ棋士への道を決めさせ、1936年に初段に昇格、その後も急速に昇進を続けました。1941年には六段、1947年には七段に達しましたが、彼のキャリアは突然の病気により停滞してしまいます。

1947年から48年にかけて行われた第2期順位戦に参加したものの、その後半には病気によって欠場を強いられました。彼の通院や治療が必要とされる状況となり、その影響で将棋界から離れることとなりました。

休場の理由

長谷川は長い間、病弱の状態にありました。1948年、将棋大成会から出版された名鑑では、彼が戦中から神経衰弱に悩まされ、一時は回復の兆しが見えたものの、最終的に波乱の人生を送ることになると記されています。棋士仲間からも心配の声が上がり、将棋連盟は彼を休場させる決定を下しました。彼の精神状態や奇妙な行動は、当時の他の棋士たちにも影響を与えたとされています。

関連する文献には、長谷川が将棋を心に重く受け止め過ぎた結果、精神的な問題に直面したことが掘り下げられています。彼は一時、指導対局を行っていた時期もありましたが、その様子には精神疾患の影響が色濃く現れていました。

退会と晩年

長谷川の将棋キャリアは、病気が深刻化したために終焉を迎えます。升田幸三は彼の対局を振り返り、健康を損ねたことにより退会せざるを得なくなったと述べています。彼は「無口で神経質な印象を持っていた」との評価もあり、将棋界での人間関係においても孤独を感じていた可能性があります。将棋連盟においても彼の名前は退会扱いとなり、近年の公式記録には彼が掲載されていないことも注目に値します。

棋風

棋士としての長谷川は「受けの長谷川」として知られ、室内でじっくり考える長考派のスタイルを持っていました。しかし、彼は病気から回復した後が早指しに転向したとも言われています。升田幸三によれば、彼は自己から攻めることはほとんどせず、相手の攻撃を待ってから反撃に転じる戦法が得意でした。この受け将棋のスタイルは、アマチュア時代に磨かれたものであり、その後の将棋人生にも強く影響したと考えられています。

長谷川清二郎の将棋人生は、特異で短命なものでしたが、その存在は将棋界の歴史に刻まれることとなりました。彼の生涯と棋風は、将棋の奥深さと人間の戦いにも影響を与えたといえるでしょう。

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