長谷部浩

長谷部浩（はせべ ひろし）は、1956年生まれの日本の演劇評論家であり、日本文藝家協会会員です。本名は松野誠。現代演劇、歌舞伎を中心に評論活動を展開しています。

略歴

埼玉県で生まれ、慶應義塾大学法学部を卒業後、出版社に勤務。その後、東京藝術大学美術学部先端芸術表現科で助教授、准教授を経て、2010年より教授を務めました。2020年夏にはウィーン大学演劇・映画・メディア研究所のプロフェッショナル・リサーチ・フェローとして研究活動に従事。2024年1月に最終講義を行い、同年3月に東京藝術大学を定年退職。同年7月には東京藝術大学名誉教授となりました。

活動内容

長谷部氏は、現代演劇から歌舞伎まで幅広いジャンルを論じ、その批評は演劇界に大きな影響を与えています。日本経済新聞では現代演劇、東京新聞では歌舞伎の劇評を担当していました。また、雑誌「悲劇喜劇」（早川書房）では、「シーン・チェンジズ」を連載していました。

新作歌舞伎や、蜷川幸雄演出の『NINAGAWA 十二夜』（2005年初演、2009年ロンドン・バービカン劇場で再演）では、ドラマターグとして作品制作に携わりました。読売演劇大賞選考委員などを歴任し、現在は紀伊國屋演劇賞審査委員を務めています。

著書

『4秒の革命 東京の演劇1982-1992』(河出書房新社, 1993)
『傷ついた性 デヴィッド・ルヴォー演出の技法』(紀伊國屋書店, 1997)
『盗まれたリアル 90年代演劇は語る』(アスキー・アスペクト, 1998)
『野田秀樹論』(河出書房新社, 2005)
『菊五郎の色気』(文春新書, 2007)
『菊之助の礼儀』(新潮社, 2014)
『野田秀樹の演劇』(河出書房新社, 2014)
『天才と名人 中村勘三郎と坂東三津五郎』(文春新書, 2016)
『権力と孤独 演出家蜷川幸雄の時代』(岩波書店, 2017)

共著

『演出術』(蜷川幸雄共著, 紀伊國屋書店, 2002 / ちくま文庫, 2012)
『プロデュース! パルコ劇場30周年記念の本』(扇田昭彦、パルコ劇場共編, パルコエンタテインメント事業局, 2003)
『歌舞伎の愉しみ』(坂東三津五郎(編), 岩波書店, 2008 / 岩波現代文庫, 2015)
『踊りの愉しみ』(坂東三津五郎(編), 岩波書店, 2010 / 岩波現代文庫, 2015)
『久保田万太郎と現代 ノスタルジーを超えて』(平凡社, 2023)

長谷部浩氏は、その豊富な知識と鋭い視点から、演劇の魅力を多角的に捉え、多くの人々に演劇の面白さを伝えています。

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