長野哲

長野 哲（ながの さとし）

1949年7月5日、宮城県に生まれた長野哲（ながの さとし）氏は、プロ野球で投手として活躍した元選手です。貴重な左腕として、そのキャリアを歩みました。

経歴

佐沼高校
高校球児として佐沼高校のマウンドに立った長野氏は、2年生だった1966年夏、全国高等学校野球選手権大会の宮城県予選で鮮烈な印象を残しました。特に3回戦の宮城水産高校戦では、相手打線にヒットを許さない力投を見せ、チームを勝利に導きました。記録上は2つの四球と1つの失策により走者の出塁を許しましたが、これは「ノーヒットノーラン」として記憶されています。この活躍により、チームは県予選を勝ち進みましたが、東北大会の準決勝で惜しくも0対1で敗れ、甲子園出場には手が届きませんでした。翌年の夏も再び甲子園を目指し予選に挑みましたが、残念ながら敗退し、夢を叶えることはできませんでした。

社会人野球・熊谷組
佐沼高校卒業後、長野氏は1967年のドラフト会議でサンケイアトムズから8位指名を受けますが、プロ入りではなく社会人野球の道を選び、強豪・熊谷組に入社しました。当時の熊谷組投手陣は層が厚く、藤津靖雄氏や大櫃照彦氏といった実力者が揃っており、長野氏が常に主要な試合で登板機会を得られたわけではなかったようです。しかし、1968年に開催された明治維新百年記念明治神宮野球大会では、社会人野球の精鋭が集まる全東京選抜チームの一員として抜擢され、特に試合終盤を締めくくる抑え投手として重要な役割を担い、全神奈川選抜チームとの一戦での快勝に貢献するなど、随所でその実力を示しました。

プロ野球・大洋ホエールズ
社会人野球での実績が認められ、翌1968年のドラフト会議において、今度は大洋ホエールズから5位指名を受け、プロの世界への扉を開きました。プロ入り後は、貴重な左腕投手として球団からの期待を背負っていましたが、残念ながら一軍での登板機会は極めて限られたものとなりました。結局、プロ野球選手としての一軍マウンド経験はわずか1試合にとどまり、1977年をもって現役を引退されました。

プレースタイル

投手としての持ち味は、威力のあるスライダー、シュート、そしてカーブといった多彩な変化球でした。これらの球種を球速豊かに投げ分け、縦横無尽に駆使する投球スタイルだったと伝えられています。

詳細情報

プロでの記録
プロ野球選手としての一軍登板は1試合のみでした。その唯一の登板は以下の通りです。
初登板：1974年10月11日、対阪神タイガース26回戦（阪神甲子園球場）
8回裏二死という場面で、5番手のリリーフ投手としてマウンドに上がりました。
登板イニングは3分の1回。
結果は無失点に抑え、試合を締めくくりました（完了）。

背番号
大洋ホエールズ在籍期間中、背番号は何度か変更されました。
33 （1969年 - 1972年）
81 （1973年）
* 48 （1974年 - 1977年）

関連情報

長野氏は宮城県出身であり、同県出身の著名な人物として数えられます。また、現役時代に所属した球団は現在の横浜DeNAベイスターズにあたるため、同球団の歴史を語る上で、かつて在籍した選手の一人として名前が挙げられることがあります。

限られたプロでの登板機会ではありましたが、高校時代のノーヒットノーランや社会人野球での活躍は、その野球人生における重要な足跡として残っています。

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