長野市茶臼山恐竜公園

長野市茶臼山恐竜公園とは

長野市茶臼山恐竜公園は、長野県長野市篠ノ井の茶臼山にある公園です。この公園は、茶臼山自然植物園内に位置し、日本で初めての恐竜公園として知られています。園内には、恐竜を中心とした様々な古生物の実物大模型が展示されており、訪れる人々に太古の地球の姿を伝えています。

公園の成り立ち

この公園は、長野市制施行80周年記念事業の一環として、地すべり跡地を整備して作られました。地すべりによって荒廃した土地に、恐竜というテーマが選ばれたのは、その非日常的な光景が、太古の生物を想起させるのにふさわしいと考えられたからです。この地はかつて、地滑りの影響でリンゴ畑が流され、家屋が被害を受けるなど、地元住民にとって大きな苦しみがありました。しかし、その荒れた土地を活かし、市民が親しめる場所を作りたいという思いから、この公園が誕生しました。

恐竜公園誕生秘話

公園の企画を担当した小島武彦氏は、茶臼山に恐竜がいる幻想を見たことがきっかけで、恐竜をテーマにした公園を提案しました。恐竜は、フィクションの怪獣とは異なり、地球の長い歴史の中で実在した生物です。その存在を通して、人類の誕生や地球の未来について考えるきっかけを作りたいという思いが込められています。当初は突飛なアイデアとして反対する人もいましたが、最終的には市長の賛同を得て実現しました。

実物大模型の制作

実物大の恐竜模型を制作するにあたり、当時は前例がなく、多くの試行錯誤がありました。制作を引き受けた日東商事は、博物館の模型を作る業者でしたが、特に恐竜の色彩にはこだわり、筋肉の伸縮による色の変化を再現するために、イモリを観察するなど、生物学的な観点も取り入れられました。また、ステゴサウルスの制作では亀の首のしわを、アロサウルスの制作では帆かけ竜を参考にするなど、細部にまでこだわって制作されました。

公園の歴史

1977年7月27日に茶臼山自然植物園が開園し、その3年後の1980年7月27日に茶臼山恐竜公園が開園しました。1985年には茶臼山自然史館も開館しましたが、2007年に戸隠地質化石館と統合する形で閉館しました。2006年からは、社団法人長野市開発公社が指定管理者として運営を行っています。

展示されている恐竜たち

園内には、古生代から中生代にかけての様々な時代の22種26体の実物大模型が展示されています。これらの模型は、遊具としても楽しめるように工夫されています。最大のものでは、ディプロドクスで、全長25m、高さ10mにもなります。ただし、1970年代に建造された模型のため、現在の科学考証とは異なる復元となっているものもあります。公園では、恐竜以外の古生物も「恐竜」として扱われていることがあります。

アクセスと近隣施設

公園へは、JR・しなの鉄道篠ノ井駅からタクシーで15分です。駐車場は計464台分が用意されており、いずれも無料で利用できます。また、近隣には茶臼山動物園や茶臼山マレットゴルフ場などの施設もあります。

まとめ

長野市茶臼山恐竜公園は、地すべり跡地という逆境を乗り越え、恐竜をテーマにしたユニークな公園として生まれ変わりました。実物大の恐竜模型を通して、地球の歴史や生物の進化を学ぶことができる、家族連れにぴったりの場所です。

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