長野県白馬高等学校

長野県白馬高等学校（ながのけんはくばこうとうがっこう）は、長野県北安曇郡白馬村に所在する公立高等学校です。白馬村および隣接する小谷村を管轄する地域において、唯一の高等学校としての役割を担っています。

概要

本校は、特にスキー部が全国的に著名な強豪校として知られています。これまでに、モーグルの上村愛子さんやノルディック複合の渡部暁斗さんをはじめ、2018年時点で合計9名の卒業生や在籍経験者が冬季オリンピックに出場するなど、数多くのトップアスリートを育成・輩出してきました。学校行事としては、地元の霊峰である白馬岳にちなんだ「しろうま祭」と呼ばれる文化祭が開催されています。また、遠隔地からの生徒のために、白馬村と小谷村による一部事務組合「白馬山麓事務組合」が運営する寮が整備されています。最寄り駅はJR大糸線の白馬駅です。

歴史

白馬高等学校の歴史は、1948年に長野県大町北高等学校の定時制北城分校として設立が認められたことに始まります。翌1949年には、同じく定時制の神城分校が設けられました。1951年4月、北安曇郡の北城村・神城村（現在の白馬村）と、北小谷村・中土村・南小谷村（現在の小谷村）の五つの村で組織された「長野県白馬高等学校組合」により、組合立の定時制高等学校として北城村に独立開校しました。1956年9月30日に北城村と神城村が合併して白馬村が誕生したことに伴い、学校の所在地が白馬村となります。その後、1963年4月1日には県立に移管されるとともに、全日制の長野県白馬高等学校へと改編されました。

昭和後期から平成にかけて、地域の過疎化や少子化の影響を受け、生徒数は減少傾向をたどります。1989年度には約400名だった生徒数が、2004年度には約200名まで落ち込みました。こうした状況を受け、2014年には長野県教育委員会による分校化の検討対象となりましたが、地元からの強い独立校存続の要望を受け、存続が決定しました。これに伴い、普通科の定員削減と、県外からの入学も可能な「国際観光科」を新設する学科改編が行われ、2016年度から国際観光科がスタートしました。また、2016年4月には、長野県の公立高校としては初めて学校運営協議会が設置されるなど、地域と連携した学校運営にも力を入れています。2017年2月には、長野県で開催された「ながの銀嶺国体」のスキー競技会運営に、全校生徒で協力しました。

主な学校施設の整備としては、1980年7月に現在の管理・普通教室棟が、1985年11月には特別教室棟（理科・家庭科教室）が竣工しています。その他、1992年3月に小体育館、1993年3月に弓道場、1995年12月にプール、2000年3月にはクライミングウォールが設置されています。

部活動

スキー部

前述の通り、スキー部は本校を代表する部活動であり、全国でも有数の強豪として知られています。2015年度には、全校生徒の約4分の1にあたる36名がスキー部に所属していました。国内外の大会で多くの実績を上げており、例えば2014年のソチオリンピックでは、在学中の山田優梨菜選手のほか、卒業生の上村愛子さん、渡部暁斗さん、渡部善斗さん、西伸幸さんといった本校ゆかりの選手が5名も出場しました。

全国高等学校スキー大会における主な優勝実績は以下の通りです（一部抜粋）。

• - 1955年（第4回）：女子滑降
• - 1959年（第8回）：クロスカントリーリレー
• - 1964年（第13回）：男子回転、男子大回転
• - 1976年（第25回）：女子総合
• - 1986年（第35回）：女子総合、女子大回転
• - 1989年（第38回）：女子総合、女子回転
• - 1990年（第39回）：女子総合、女子回転
• - 1991年（第40回）：女子回転、大回転
• - 1994年（第43回）：男子ノルディック複合
• - 1996年（第45回）：男子ノルディック複合
• - 2007年（第56回）：男子ノルディック複合
• - 2008年（第57回）：男子ノルディック複合、男子リレー3位
• - 2009年（第58回）：男子リレー（全校生徒で大会運営に参加）
• - 2015年（第64回）：男子スペシャルジャンプ、男子リレー3位、女子回転3位

この他にも、全国高等学校選抜スキー大会や国民体育大会など、様々な大会で優秀な成績を収めています。

校章・校歌

校章

本校の校章は、中央に「高」の文字が配され、その周りを白馬三山が囲むデザインです。「高」の文字を取り巻く藍色は、地域の清流である姫川を表し、全体の外形である六角形は雪の結晶を象徴しています。この校章は松本のぼる氏によって制作されました。

校歌

校歌の作詞は藤澤古実氏、作曲は高木東六氏が手掛けました。歌唱においては、一番の後に三番を歌う形が慣例となっています。

主な出身者

白馬高等学校は、特にスキー競技を中心に多くの著名な卒業生を輩出しています。

• - 矢口賢（クロスカントリースキー選手）
• - 丸山寿一（アルペンスキー選手、グルノーブルオリンピック出場）
• - 丸山庄司（スキー選手、日本スキー連盟専務理事）
• - 荻原郁夫（旧名: 山本郁夫、アルペンスキー選手、実業家、杏林製薬社長）
• - 猪股由美（クロスカントリースキー選手、アルベールビルオリンピック出場）
• - ヤブキレン（俳優、モデル、活動家）
• - 上村愛子（スキーモーグル選手、冬季オリンピック5大会出場）
• - 福島のり子（スキークロス選手、バンクーバーオリンピック出場）
• - 松本勲人（アルペンスキー選手）
• - 西伸幸（スキーモーグル選手、バンクーバー、ソチオリンピック出場）
• - 渡部暁斗（ノルディック複合選手、冬季オリンピック4大会出場、ソチ・平昌オリンピック銀メダル）
• - 渡部善斗（ノルディック複合選手、ソチ、平昌オリンピック出場）
• - 山田優梨菜（スキージャンプ選手、ソチオリンピック出場）

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