長野県諏訪清陵高等学校・附属中学校

長野県諏訪清陵高等学校・附属中学校について

長野県諏訪市にある諏訪清陵高等学校とその附属中学校は、1895年に創立された「諏訪郡立実科中学校」を前身とし、長い歴史を有する教育機関です。「清陵」という名称は地域名「清水が丘」に由来し、校歌や清陵賛歌にもその地名が盛り込まれています。この学校は、自由で自主的な学びの場として知られており、制服や厳しい校則がないことが特徴です。生徒たちは自らの判断で行動し、自治を重んじる校風の中で、清陵祭やさまざまな学校行事が運営されています。

また、「自反而縮雖千萬人吾往矣」という孟子の言葉が校是に掲げられ、自治や質実剛健、勤勉努力といった精神が教育の根底に流れています。行事は学友会の下で運営され、毎年行われる文化祭やスポーツ大会は生徒たちの自主的な活動の場となっています。かつては出身中学校ごとに地方会が存在しましたが、時代の流れに合わせて2013年に廃止されました。

技術革新と学習環境の整備

近年では、2019年度に附属中学校に90台のChromebookが導入され、全教室にWi-Fi環境が整備されました。さらに2020年度には追加の160台が導入され、全校生徒がインターネット環境を利用できるようになり、授業の質の向上に寄与しています。このような取り組みは、科学教育に対する意欲を高め、2010年に文部科学省から「スーパーサイエンスハイスクール (SSH)」に指定されたことも示しています。

歴史的な沿革

この学校は、1887年に上諏訪英語会が設立されたことから始まり、1895年には諏訪郡立実科中学校として正式にスタートしました。その後、1901年に長野県に移管され「長野県立諏訪中学校」と改称され、1948年には新制度のもとで「長野県諏訪清陵高等学校」となります。また、2002年からはSSHの指定を受け、2005年までその活動が継続されました。2014年に附属中学校が併設され、中高一貫教育に取り組むモデル校としての地位を築いています。

校章と校歌

校章は諏訪大社の神紋である「梶の葉」を用いており、独自性を強調しています。また、校歌は長く親しまれ、校歌自体の演奏には特別な楽譜がなく、太鼓や手拍子で伴奏される形式が伝統的です。附属中学校でも同じ校歌が歌われ、独自の「清陵讃歌」も存在しています。

学校の特色

諏訪清陵高等学校では、1898年に始まった「談論会」が定期的に行われ、学生たちが自由に意見を述べ合うことが奨励されています。このように、自由な発言と創造的な思考が育まれる環境が整えられています。また、諏訪湖で行われる「端艇大会」は全国的に珍しいボート競技であり、地域に根ざした活動として知られています。

このような伝統と革新が共存する教育機関である諏訪清陵高等学校・附属中学校は、地域的な特色を持ちながらも、全国的に優れた教育を提供し続ける存在です。

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