長靴フェティシズム

長靴フェティシズムについて

長靴フェティシズム（Rain Boots fetishism）とは、異性の長靴姿、または長靴そのものに対して性的興奮を覚える性的フェティシズムの一種です。ブーツフェティシズムの一種であり、特に雨天（雪も含む）用の長靴に強い関心を示すのが特徴です。日本では「長靴フェチ」と呼ばれることが一般的です。

概要

主に男性が女性の履く長靴に対して性的関心を抱くことが多いですが、海外では女性が「長靴姿の女性」に性的魅力を感じるケースも少なくありません。例えば、レズビアン同士が互いの足に履かれた長靴を愛撫したり、キスをしたりする行為を好むことがあります。また、女装した美少年がきれいな色の長靴を履いている姿を好む「トラニーチェイサー」と呼ばれる人々も存在します。欧米では、女装しているが恋愛対象は女性という人もいるため、「女装レズ」という趣味も確立されています。

長靴フェティシズムの嗜好は多種多様であり、欧米では「wellie girl（長靴女、ゴム長娘）」という性嗜好のジャンルも存在します。

嗜好の具体例

長靴フェチの嗜好は、長靴の形状、素材、光沢、音、色など多岐にわたります。

形状に対する嗜好

長靴の形状には様々なものがありますが、海外では膝下丈のロングタイプが好まれることが多いです。一方、日本では昭和時代から生産されてきた前ボタンのゴム長靴に強い関心を示す人も多くいます。長靴の長さ、飾り（紐、ベルト、ブローチ、ジッパーなど）、ヒールの高さなど、個人の嗜好によって様々です。

素材・光沢に対する嗜好

エナメル塗装されたゴムや塩化ビニール（PVC）製の長靴を好む人が一般的ですが、レザーや合成皮革にエナメル加工を施した婦人用のロングブーツに近いレインブーツを好む人もいます。エナメルが施された長靴やレインブーツのツルツルとした光沢のある表面に性的興奮を覚えるケースが多く見られます。

聴覚的な要素に対する嗜好

長靴を履いて歩く際に発生する「キュッキュッ」という音（rainboots squeak）に魅力を感じる愛好家も存在します。

色に対する嗜好

ロングブーツでは黒や茶色が主流ですが、女性用の長靴やエナメルレインブーツでは、赤、白、黄、ピンクなどの鮮やかな原色が好まれる傾向があります。これらの色は、通常のロングブーツではあまり見られないため、長靴フェチの人々にとって大きな魅力となっています。

長靴フェチを扱った作品

長靴フェティシズムは、文学や漫画など様々な作品のテーマとしても取り上げられています。

小説『青い旋律』（梶山季之）：女性用のゴム長靴と女装レズをテーマにした作品です。
小説『秘密診察室』（館淳一）：女医や看護師が白いゴムの白衣や長靴を着用し、マゾの患者を診察する様子を描いています。
小説『月光のイドラ』（野阿梓）：体にフィットしたラバーの服にエナメル長靴を履いた美しい少年が登場します。
劇画『雨靴物語』（上村一夫）：長靴フェチの女子高生が、お気に入りのゴム長靴を履いて性的快感を得る様子が描かれています。
漫画『お元気クリニック』（乾はるか）：ゴムマニアの長靴女王様が登場するSMクラブが舞台です。

参考文献

『性的倒錯』
『靴フェティシズム』
『フェティッシュ・ファッション』
『性科学XYZ』
『スクリーンの夢魔』（渋澤龍彦）
『Unusual Sex Practices』

脚注

関連項目

フェティシズム
ブーツフェティシズム
靴フェティシズム
* ラバーフェティシズム

もう一度検索