門司赤煉瓦プレイス

門司赤煉瓦プレイス

門司赤煉瓦プレイスは、福岡県北九州市門司区大里本町に位置する、歴史的な建造物群を活用した複合施設です。ここは、かつてサッポロビール九州工場として稼働していた場所で、その赤煉瓦造りの建物群が保存・活用されています。

歴史

1913年（大正2年）に帝国麦酒（後のサッポロビール）が門司麦酒工場を建設したのが始まりです。長年にわたりビールの製造拠点として重要な役割を果たしてきましたが、1996年（平成8年）に老朽化のため、大分県日田市に新たな九州工場が建設されることが決定しました。そして、2000年（平成12年）に新工場が完成し、旧九州工場はその役割を終えました。

工場閉鎖後、土地と建物の活用について北九州市などが検討を重ね、JR門司駅の遊休地と合わせて再開発を行うことになりました。この事業は、土地区画整理事業として基盤整備が行われ、建物の保存と活用にはまちづくり総合支援事業が適用されました。サッポロビールから、旧工場事務所棟は北九州市へ、醸造棟・旧倉庫棟・旧組合棟はNPO法人赤煉瓦倶楽部へ無償譲渡され、それぞれが管理運営を担うことになりました。

2005年（平成17年）には、北九州市が取得した旧工場事務所を転用し、門司麦酒煉瓦館が先行開業しました。2006年（平成18年）には他の施設もオープンし、門司赤煉瓦プレイスとして新たなスタートを切りました。2019年には、サッポロビールが所有していた土地が北九州市に無償譲渡され、土地の所有も一本化されました。2024年には、管理運営のあり方が見直され、民間事業者のノウハウを活用する「公募型プロポーザル」の結果、株式会社スピナが優先交渉権者に決定しました。

これらの建物群は、2007年（平成19年）に国の登録有形文化財に登録され、2009年（平成21年）には近代化産業遺産にも認定されています。

施設

門司赤煉瓦プレイスには、以下の施設があります。

門司麦酒煉瓦館：旧工場事務所棟を改装した博物館で、ビールの歴史や門司麦酒工場の沿革、製造工程などを紹介しています。
開館時間：9:00～17:00（入館は16:30まで）
休館日：年末年始（12月29日～1月3日）、他に臨時休館日あり
観覧料：大人100円、中学生以下50円、4歳未満は無料
赤煉瓦交流館：旧倉庫棟を改装した施設で、赤煉瓦ホールや会議室、レストラン「ARK」があります。
開館時間：10:00～22:00
レストラン営業時間：11:00～15:30（休日は16:00）、17:00～22:00（いずれも営業時間終了1時間前でオーダーストップ）
休館日：年末年始（12月29日～1月3日）、月曜日（祝日の場合は翌日）
赤煉瓦写真館：旧組合棟を改装した施設で、1917年（大正6年）に建てられた建物です。
旧サッポロビール醸造棟：モニュメントとして保存されており、内部には当時の醸造機器が展示されています。

アクセス

所在地：〒800-0063 北九州市門司区大里本町3-6-1（門司麦酒煉瓦館）
JR鹿児島本線門司駅北口から徒歩約3分
* 北九州都市高速4号線大里出入口から車で約5分

門司赤煉瓦プレイスは、産業遺産としての価値を持つだけでなく、地域の人々にとって憩いの場、文化交流の拠点としての役割も担っています。歴史と文化が息づくこの場所を、ぜひ訪れてみてください。

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