開眼法要

開眼法要とは

開眼法要（かいげんほうよう）は、仏像、仏画、仏壇、墓などが完成した際に行われる法要のことです。開眼供養、入魂式、魂入れとも呼ばれます。この儀式は、単なる物体であった像に魂を宿し、尊い仏様として完成させる重要な意味を持ちます。

開眼法要の由来

仏像を制作する際、最後に「点睛（てんせい）」、つまり眼を描き込むことで、人の手で作られた像は仏像として完成すると考えられています。この点睛の儀式を特に重要視し、後世に「開眼法要」として儀式化されました。仏像に魂が宿ることで、その像は信仰の対象として崇められるようになります。

東大寺大仏の開眼法要

日本における開眼法要の有名な例として、天平勝宝4年（752年）に行われた東大寺大仏（毘盧遮那仏）の開眼法要が挙げられます。聖武上皇によって執り行われ、インドから中国を経て日本に渡来した僧侶、菩提僊那（ぼだいせんな）が実際に眼を描き入れました。この時、五色の紐を開眼の筆につけ、集まった人々に持たせることで、仏の功徳が広く行き渡るように祈願されました。

浄土真宗における御移徙

浄土真宗では、本尊に魂を込めるという考え方がないため、開眼法要や入魂式は行われません。代わりに「御移徙（ごいし、おわたまし）」と呼ばれる慶事の法要を執り行います。「移徙」とは、「移り動くこと」「移転」を意味する言葉ですが、「わたまし」と呼ぶ場合は「尊い人の転居」を意味する敬語として用いられ、仏様にも使われます。これは、仏様が新たな場所に移り住むことを祝う儀式であり、開眼法要とは異なる意味合いを持ちます。

まとめ

開眼法要は、仏像や仏具が完成する上で欠かせない儀式であり、信仰の対象として重要な意味を持ちます。一方で、浄土真宗では独自の考え方に基づき、御移徙という別の儀式を執り行います。これらの儀式を通して、人々は仏教の教えを深く理解し、信仰心を育むことができるでしょう。

関連項目

開眼
落慶

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