間奏曲

間奏曲（Intermezzo）とは

間奏曲（かんそうきょく）は、楽曲の間に演奏される経過的な楽曲の総称であり、特に器楽曲を指すことが多いです。一般的には、インテルメッツォ（イタリア語: intermezzo、ドイツ語: Intermezzo）とほぼ同義で用いられます。また、インテルルディウム（ラテン語: interludium）やインタールード（英語: interlude）といった言葉も、間奏曲と同様の意味で使われることがあります。

間奏曲の種類

間奏曲には、以下のような種類があります。

アントラクト (entr'acte)：オペラや演劇の幕間、または幕中の小休止に演奏される楽曲。ビゼーのオペラ『カルメン』やマスカーニのオペラ『カヴァレリア・ルスティカーナ』の間奏曲が有名です。アントラクトは、幕間の休憩後、次の幕の開幕直前に演奏され、場面転換や次の場面への期待感を高める役割を果たします。
多楽章構成の楽曲における間奏曲：組曲やソナタ、交響曲など、複数の楽章から構成される楽曲において、楽章と楽章の間に挿入される楽曲。古典組曲では、終曲であるジーグの前に置かれることが多く、また、ロマン派の時代には、独立した楽章や独奏曲にも用いられ、シューマンやブラームスなどが多くの作品を残しています。

間奏とは

楽曲における「間奏」とは、声楽曲であれば声楽を伴わない器楽部分、器楽曲であれば主奏者が休止する部分を指します。

インテルメッツォの多様な使われ方

インテルメッツォは、楽曲の形式によって異なる役割を果たします。

オペラにおけるインテルメッツォ：オペラの幕間や場面転換をスムーズに行うための役割を担います。例えば、ビゼーの『カルメン』のアントラクトは、次の幕への期待感を高め、物語をより深く楽しむための重要な要素となっています。また、マスカーニの『カヴァレリア・ルスティカーナ』の間奏曲は、物語のクライマックス後に、聴衆の心を落ち着かせる効果があります。
組曲におけるインテルメッツォ：古典組曲では、ジーグの前に置かれることで、曲全体の流れを整える役割を果たしています。
多楽章構成の楽曲におけるインテルメッツォ：ソナタや交響曲では、楽章間の変化を明確にし、楽曲全体の構成をより豊かにする効果があります。
独立した独奏曲としてのインテルメッツォ：ロマン派の時代には、シューマンやブラームスなどによって、独立した性格的小品としても作曲されました。これらの作品は、作曲家の個性が色濃く反映され、ピアノ音楽の重要なレパートリーとなっています。

その他のインテルメッツォ

また、フランスの劇作家ジャン・ジロドゥの戯曲にも、『間奏曲』というタイトルの作品が存在します。

まとめ

間奏曲は、楽曲の中で重要な役割を果たす音楽形式であり、オペラ、組曲、ソナタ、交響曲など、様々なジャンルの楽曲で使用されています。その使われ方は多岐にわたり、場面転換や感情の起伏を表したり、楽曲全体の構成を豊かにしたりする効果があります。また、ロマン派の時代には、独立した独奏曲としても作曲され、今日まで多くの人々に親しまれています。

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