間宮 (給糧艦)

給糧艦間宮の概要

日本海軍の給糧艦「間宮」は、艦名が樺太にある間宮海峡から命名された艦艇です。給糧艦とは艦隊に食料を供給するための補給艦であり、間宮はその役割を果たしました。間宮は、八八艦隊計画の一環として能登呂型給油艦の一隻として予算が承認されましたが、海軍の要請により連合艦隊に随伴する給糧艦として特に建造されたため、期待されていました。

艦の特徴

間宮の設計は商船を基にしており、川崎造船所が担当しました。この艦は、就役当時、世界最大の給糧艦とされ、その船体には食料の貯蔵施設や製造設備が完備されていました。冷凍庫や冷蔵庫の最新設備を備え、18,000人分の食料を約3週間分貯蔵できる能力を持っていました。特に、屠殺した肉を加工する設備も備えており、牛や馬を生きたまま搭載して食肉加工できる能力がありました。また、日本独自の加工食品も製造可能で、多数のキッチンが用意されていました。

運用と役割

間宮は、平時には艦隊への食料供給を、戦時には前線への輸送業務を担いました。その食糧供給能力は非常に高く、特に人気のあった「間宮羊羹」は有名です。他艦艇においては真水の節約から入浴や洗濯がままならなかったりする中、間宮では豊富な真水を使用できたことから、特例的な扱いを受けていました。

戦歴

1924年7月15日に竣工した後、間宮は日本海軍の補給の要として活躍を始めました。太平洋戦争開戦にあたる1941年にはパラオでの食糧補給に従事し、その後も多くの輸送任務に携わりました。しかし、1944年12月、アメリカ海軍の潜水艦「シーライオン」による攻撃を受け、沈没しました。この事件によって多くの乗員が命を失い、生還したのはわずか6人という結果となりました。

その後

間宮の沈没後、1983年には生存者たちによって慰霊碑が建立され、艦に関わった502人の犠牲者を追悼しました。さらに、2015年には間宮をテーマにしたドキュメンタリーも放送され、その名は再び多くの人々に知られることとなりました。間宮は日本海軍において重要な役割を果たした艦であり、その歴史は今も語り継がれています。

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