間接射撃

間接射撃とは

間接射撃とは、目標を直接視認することなく行う攻撃の手法を指します。この技術は、現代の砲兵操作において不可欠であり、迫撃砲を扱う歩兵にとっても必要なスキルです。特に、射程距離が長くなった火砲の普及に伴い、敵を視認できる場所に味方を配置することが難しくなりました。多くの場合、敵の位置は複雑な地形に隠れ、例えば丘や山によって視認できないことが多く、これにより間接射撃の重要性が増しています。

歴史的背景

間接射撃は、ボーア戦争時代にイギリス陸軍によって効果的に使用され、その後の第一次世界大戦でさらに標準化されました。この技術は、砲兵の火力を最大限に引き出すための効率的な戦術であり、各国の軍隊において採用されています。

間接射撃のチーム構成

間接射撃は、以下の3つのチームによって実施されます。

1. 観測班（FO）: 敵の位置を直接見ており、目標の正確な情報を収集します。
2. 射撃指揮所（FDC）: 観測班からの情報を基に計算を行い、発射指示を出します。
3. 放列（Guns）: 実際に砲を発射する部隊です。

この体制により、観測班が敵を視認する一方で、射撃指揮所や放列は敵を直接見ることがないため、自分を攻撃している相手がわからない状態で攻撃が行われます。この方法を「間接照準」と呼びます。

照準器と計測器

間接射撃の際、照準を正確に行うためにはいくつかの専門的な機器が必要です。これには以下の器具が含まれます。

• - 水準器: 縦横の傾きを調整するために必須です。
• - コリメーター: 基準線を設定し、これがないと計測が不正確になります。
• - マイクロメータ: 砲の角度をミル単位で精密に測定します。
• - 射角表示器: 弾薬の種類や距離に基づいて必要な仰角を示します。
• - 高低表示器: 目標との標高差を考慮し、射角表示器が示す値を補正します。
• - 弾道計算機: 特定の火砲の弾道を計算するために使用します。

射撃手順

間接射撃は以下の手順で行われます。
1. 観測班が目標を観察し、関連情報を収集します。
2. 観測班は、目標の座標や高さ、敵の規模といった情報を射撃指揮所に伝えます。
3. 射撃指揮所は、受け取った情報をもとに発射に必要なデータを計算し、放列に指示を出します。
4. 放列が指示に基づいて砲を調整し、試射を行います。
5. 観測班は着弾結果を記録し、必要に応じて修正要求を射撃指揮所に送信します。
6. 射撃指揮所は修正を考慮し、再度放列に指示します。このプロセスは目標が撃破されるまで繰り返されます。

まとめ

間接射撃は、現代戦の重要な戦術の一つであり、火砲の発射時に複数のチームが連携して行動することが求められます。これにより敵に対する隠れた攻撃が可能となり、戦闘の環境を大きく変える力を持つ技術と言えるでしょう。

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