閔泳翊

閔 泳翊の生涯と功績

閔 泳翊（ミン・ヨンイク、1860年 - 1914年）は、李氏朝鮮時代から大韓帝国にかけての重要な政治家であり、その名は朝鮮の歴史に刻まれています。彼の本貫は驪興閔氏であり、閔妃の甥でもあります。また、異母妹は初代皇帝純宗の王妃、純明孝皇后です。自治体では「遇鴻」と名乗り、号は「芸楣」とされています。

人物背景

彼の実の父は閔台鎬であり、閔升鎬が亡くなった後に養子として迎えられました。閔泳翊は1877年に科挙の文科試験に合格し、次第に政界での地位を高めていきます。1878年には正三品に昇進し、都承旨や議政府有司堂上、吏曹参判としての職務を遂行しました。1880年以降は、統理機務衙門での役職に就きながら、開化政策を推進しました。

海外派遣と苦難

1882年、壬午軍乱が起こった後、閔泳翊は朴泳孝に従い日本へ渡ります。その翌年には報聘使としてアメリカに派遣され、アーサー大統領に謁見しました。この時、閔は国書を捧げ、さらにヨーロッパへの視察を行い、1884年に帰国しました。しかし、同年の甲申事変では独立派の金玉均に襲撃され、実父である閔台鎬を失うという惨事に見舞われました。幸い彼は医療宣教師ホレイス・ニュートン・アレンの治療により命を取り留めました。

政治活動と亡命

1885年4月には高宗の命により天津に派遣され、大院君の帰還を阻止しようとしましたが、この試みは失敗に終わります。その後、帰国を果たし、親軍右営使、協弁（次席）内務府事、兵曹判書の役職を歴任し、再び正二品に昇進しました。

1886年には朝露秘密協定の締結に反発し、清の大使袁世凱にこの情報を密告しました。この行動が彼にとっての分岐点となり、彼は煙台へ亡命せざるを得なくなりました。以後、清の各地及びイギリス領の香港での生活が続きます。最終的には香港のフランス租界で生涯を閉じました。

彼の評価と影響

閔泳翊の生涯は政治的な波乱に満ちており、彼の意見や行動は大韓帝国の形成において重要な要素となりました。彼の反抗的な姿勢や開化政策への貢献は、近代朝鮮の変革に寄与したと評価されています。彼の人生は、当時の政治情勢や国際関係の影響を色濃く反映しており、彼の業績や影響は現在でも論じられ続けています。

参考文献

• - 「朝鮮王朝実録」
• - 「アジア人物史 9」集英社 2024年

もう一度検索